藤井もとゆき氏当選も得票数は減

 体調がいまひとつなのでアップが遅れてしまいましたが、11日投開票が行われた参議院選挙で、薬剤師連盟が推薦していた藤井もとゆき氏が、自民党比例名簿順位8位(当選は12位まで)で当選し、3年前の雪辱を果たしています。

 なお、県または市選挙管理委員会では、選挙区(市町村)ごとの得票数(以下小数点以下は切り捨て)も公表しています

都府県名 ’10参議院選挙
得票数
’07参議院選挙
得票数
従業地による薬剤師数(人)
(2008年末現在)
医療施設の従事者 総数
全国 145,771  168,185 186,052 267,751
栃木県 1,632 2,257 2,537 3,520
群馬県 2,032  2,028 2,428 3,199
茨城県 3,565  4,053  4,062 6,158
埼玉県 3,840  4,871  9,112 12,719
千葉県 3,775  5,514 8,714 12,227
東京都 9,017 11,020 23,289 42,535
神奈川県 7,247  8,260 13,470 17,650
山梨県 1,245  1,602 1,159  1,476
長野県 2,589  3,195  3,132 4,019
新潟県 2,896  2,930  2,790  3,568
大阪府 8,099  9,571 14,134 23,288

 また、県内選挙区ごとの得票数は、足利市140票(’07選挙:210票)、佐野市120票(’07選挙:142票)、宇都宮市437票(’07選挙:620票)でした。

 薬剤師が議員に当選することはうれしいですが、医療現場に従事する薬剤師数が増えているにもかかわらず、前回より大幅に得票数を減らしたことには危機感を持つべきでしょう。3人に票が分散し、1人も当選することができなかった医師会と比べれば、戦略としては誤りはなかったと思いますが、前回選挙の候補者と比べ、42,850票増やし4位で当選した看護協会の推薦の高階恵美子氏の210,443票と比べると対照的な結果です。

 薬剤師を国会に送り出すことも重要だと思いますが、TOPICS 2010.07.02 にもあるように、薬剤師業務やくすり業界に理解のある議員を増やし、さまざまなルートを通じて、私たちの意見を反映させることも必要です。

 しかし、私たちの意見を反映させるにはなによりも、同時にまず現場の多様な意見(漢方薬等の郵送販売、職能の拡大など)をくみ上げると共に、現場で今どのようなことが行われ、それが将来にどうつながっていくかのを整理し、具現化することも求められます。

藤井もとゆき http://www.mfujii.gr.jp/

関連資料:都道府県選挙管理委員会ホームページ一覧(総務省ウェブサイト)
       http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/links/senkan/index.html

関連記事・ブログ:
剤界統一候補・藤井もとゆき氏が当選‐3年前のリベンジ果たす
(薬事日報 HEADLINE NEWS 7月12日)
http://www.yakuji.co.jp/entry19860.html
医療・介護CBニュース(7月12日)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/28487.html
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/28466.html
藤井氏  産業政策など「薬のプロとして提言していく」
(日刊薬業WEBフリーサイト7月12日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226553144655.html?pageKind=outline
もとゆき。当選。今が連盟の刷新チャンス。(10シス 7月13日)
http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-3c2b.html       

関連情報:TOPICS
 2007.07.30 参議院選挙、藤井基之氏惜敗(旧サイト)
 2010.07.02 スイッチOTCと薬剤師職能の活用(質問主意書)


2010年07月13日 12:39 投稿

コメントが4つあります

  1. 以前のコメントに書きましたように、
    日本薬剤師会の主張が、『反対ばかり』だから
    たいして投票しないのでしょう。

    小学校の時に、先生から習いました。
    反対意見は意見とは言わない、自分の意見を主張しなさいと・・・。

    例.OTC医薬品のネット販売再開反対

    楽天のOTCネット販売、ネット調剤参入(薬剤師不要論)の
    話がありますが、近い将来それが実現したら、
    調剤企業、ドラッグストアも参入するか、
    個店は、サービス、スピード、コミュニケーションで
    差別化したらいいんじゃないですか?

    これまでの積み重ねがあるじゃないですか?

    必要以上にビビってて、世の中への提案が何もないから
    票は伸びなくて当然ですよね。
    薬剤師は、もううすうすわかってますよ。

    ぶっちゃけ、民主党が勝っていたらF候補は
    また落選だったと思いますよ~。

    根本的な見直しが重要です。

    --------------------------------

    内容は、すべて反対のものばかり・・・。
    1.OTC医薬品のネット販売再開反対
    2.国家公務員 薬剤師の初任給アップ(看護師より低い)
    3.特定看護師制度導入の反対(調剤もされると自分たちの職域を侵される?)

    そのために、某議員に投票しろだと・・・???

    反対・主張の前に、自分たちが何をできるのか、
    お客様・患者様、世の中のために、薬剤師はどんな貢献ができるのか、

    ここの明確な意見や提案がないと、なにも動きません。

    キーワードは、『セルフメディケーション』かと思います。

  2. アポネット 小嶋

    eljkk さん、前記事は選挙中だったのでレスしませんですみませんでした。

    私も、eljkk に近い考えです。

    >反対・主張の前に、自分たちが何をできるのか、
    >お客様・患者様、世の中のために、薬剤師はどんな貢献ができるのか、

    全くないわけではないのでしょうが、全国的に広がったのは、薬歴とおくすり手帳くらいですね。

    特定看護師制度導入を反対しているかは私は把握していませんが、看護師さんたちは、自分たちの実績を根拠に職能の拡大を訴えているのでしょうから、薬剤師会もただ反対するだけでなく、自分たちが行ってきたことをまず標準化し、それを全国に広げて実績をつくることのほうが先決だと思います。

    また、ネット販売についても経過措置が終わる1年後にすべて禁止になるとは到底考えられないのに、伝え聞くところによると、代案も含めた議論は日薬ではほとんど行われていないとのこと。

    政治力で守ってもらえるという意識があるのでしょうが、現場の声を吸い上げたり議論も行わないような会だったらやめたいという人も出てきてもおかしくないでしょう。

    私も、地域薬剤師が生き残る道は『セルフメディケーション』の場で薬剤師がどのように職能を発揮するかだと思います。

    しかし、『セルフメディケーション』についての提案も日薬はおそらくできないでしょうね。それは、医師(会)の顔色を見ているからです。

    処方せんの発行を止められてしまっては元も子もないからでしょうが、これでは薬剤師としての独立性や独自性はないですね。

  3. ももたろう

    いろいろなところで、
    会が・・・、会が・・・、と不満の声をよく聞きますが、
    会の力は個人個人の力ですから・・・。

    会を批判するより
    自分の周りの薬剤師に声をかけ、
    一人ひとりの薬剤師が
    薬剤師とはなんぞや、と考え、
    国民から信頼される行動をし、
    そしてこれからの薬剤師のことについて真剣に考えることが
    大切ではないでしょうか。ネ。

    (当選したということは)
    スタートラインに立つことができたということです。
    これからが本番です。

  4. アポネット 小嶋

    ももたろう さん

    >会の力は個人個人の力ですから・・・。

    その通りですね。

    私たち一人ひとりが、将来に夢をもって地道に活動していくしかないと思います。

    私もそういった思いを周りの仲間の薬剤師と共有し、そして広げて、実現していきたいと思っています。