子宮頸がん予防ワクチン、公費助成は必要だが

 21日、社団法人日本産科婦人科学会、財団法人日本対がん協会など23団体が、52,000余りの署名と共に、子宮頸がんワクチン接種への公費助成を求める要望書を提出しています。

子宮頸がんワクチンの公費助成求め、23団体が合同で大臣に要望
(ロハス・メディカル 7月21日)
http://lohasmedical.jp/news/2010/07/21133723.php

子宮頸がんワクチンに公費助成を 厚労相前向き
(47NEWS 7月21日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072101000599.html

 厚労省が全国の市区町村に行った調査(回収率99.4%、1744市区町村)によれば、HPVワクチンの公費助成をしているのは、114市区町村(6.5%)に留まり、1回あたり12,000円以上(一般的に1回当たりの接種費用は13,000円~17,500円と言われている)の女性を行っているのは78の市区町村だったそうです。

 つまり、HPVワクチン接種の意義はわかっていても、財政状況が異なる自治体が、全て同じように助成することはやはり困難なのが現実であり、私も公費助成は必要だと思います。

 住んでいる場所によって、助成が受けられないというのはやはりおかしいと思いますし、この公費助成をするかどうかということをめぐって、ともすると政治的に利用されつつあるということにも私は懸念を持つからです。

 実は、地元足利でも20日に開催された臨時議会で、ワクチンの接種費用を補助する(総額約8,000万円)という議員提出による補正予算案が可決され、小学6年女児約760人(全額補助、集団接種)、中学1~3年女子生徒約2,100人(半額補助、個別接種)が9月から実施されることが決まりました。(下野新聞宅配版7月21日記事)

 おそらく、これから地元の私たちのところにも保護者などから質問が来そうです。28日の研究会(関連サイトにリンクを張りました)では、いろいろと質問をぶつけようと思っています。

 それと、ワクチンを打てば全て安心との雰囲気(特に、自治体や議員さんの一部)があることが気がかりです。女児や女子生徒に現時点で直接伝えることは無理かもしれませんが、(大人になってからの)子宮がん検診の重要性をいつ、どう伝えるかも知恵を絞る必要があるでしょう。

関連情報:足利市長大豆生田みのるのブログ
 自動販売機で女の子の命を救う(2010年6月14日)
  http://www.j-beans.jp/?p=1016
 自動販売機で女の子の命を救う:7月臨時議会可決(2010年7月20日)
  http://www.j-beans.jp/?p=1220

子宮頸がん予防事業(栃木県大田原市)
  http://www.city.ohtawara.tochigi.jp/7,7183,24.html

TOPICS
 2010.07.08 子宮頸がん予防啓発CM「しきゅうのおしらせ」
 2010.07.08 HPV、Hibなどのワクチン「ファクトシート」


2010年07月21日 23:37 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    8月4日の参院予算委員会で長妻昭厚労相は、子宮頸がん予防ワクチンの公費助成について、2011年度予算の概算要求に盛り込むと表明したそうです。

    子宮頸がんワクチン公費助成へ 厚労相、予算要求を表明
    (47NEWS 8月4日 共同通信配信)
    http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010080401001067.html

    子宮頸がん:ワクチン接種「公的助成を予算要求」--厚労相
    (毎日新聞 8月4日)
    http://mainichi.jp/select/science/news/20100805ddm002040096000c.html

    毎日新聞によれば、中学1年生の女子全員に接種した場合の経費は約200億円(民間団体などの試算)とのこと、地方の費用負担や負担割合をめぐって、今後議論となるようです。