アバスチンの乳がんへの承認取り消しを勧告(FDA諮問委)

 日本でも適応拡大が期待されている分子標的薬のアバスチン(ベバシズマブ、本邦での適応症は結腸・直腸癌、肺癌)ですが、20日開催された腫瘍薬諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee)で、乳がんの適応の承認取り消しが勧告されたことから、米国では波紋をよんでいます。

July 20, 2010: Oncologic Drugs Advisory Committee Meeting Announcement
 http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/Calendar/ucm213724.htm

Briefing Information for the July 20, 2010 Meeting of the Oncologic Drugs Advisory Committee

 アバスチンの乳がんの適応は、2008年に化学療法との併用という条件で迅速承認で得ていましたが、その後に行われた2つの大規模臨床試験(臨床試験実施が承認の条件)で有用性が認められかったこと、また血圧上昇、出血、好中球減少などの重篤な有害事象が増大した(上記ページにレビューが掲載)として、委員による評決(12対1)で乳がんの適応の承認取り消しを勧告したそうです。(肺・大腸・腎臓のがんについては承認継続)

 この分野について私は知識が乏しいので、コメントはあまりできませんが、やはり抗がん剤の承認のあり方や臨床試験の難しさを感じさせられます。日本でも、乳がんへの適応拡大が期待されているそうですが、こういった場合、今後の開発はどうなるのでしょうか。

参考:
FDA Panel Nixes Bevacizumab for Breast Cancer
(MedPage TODAY 2010.07.20)
http://www.medpagetoday.com/HematologyOncology/BreastCancer/21276
FDA Panel: Avastin Not for Breast Cancer
(WebMD 2010.07.20)
http://www.webmd.com/breast-cancer/news/20100720/fda-panel-avastin-not-for-breast-cancer 


2010年07月22日 00:43 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    23日のミクス紙が、乳がん、胃がんへの適応拡大に影響するだろうと伝えています。

    ミクスOnline(7月23日)
    http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/39397/Default.aspx

    乳がんについては、日本では臨床試験ではよい結果が出ているとして、審査には影響がないとする会社の説明を伝えています。