カルシウムサプリメントは心臓血管病リスクを増すかもしれない

　29日、BMJ 誌の Online First に、カルシウムサプリメントの摂取により、心筋梗塞などの心臓血管病リスク を増すとした論文が掲載され話題となっています。

Effect of calcium supplements on risk of myocardial infarction and cardiovascular events: meta-analysis
（BMJ 2010; DOI: 10.1136/bmj.c3691. Online First 2010.7.29）
http://www.bmj.com/cgi/content/full/341/jul29_1/c3691

カルシウム・サプリメント（ビタミンＤ投与併用なし）で、心筋梗塞や心血管イベントのリスク増加
（内科開業医のお勉強日記7月30日）
http://intmed.exblog.jp/11054730/

　この研究は15のRCT（毎日500mg以上、40歳以上、1年間以上を条件とし、死亡率の低下が示唆されているビタミンDの併用試験は除外）のメタ・アナリシスで、カルシウムサプリメントを摂取した群では摂取していない群と比べ、約30％心筋梗塞や心臓血管病リスク（心筋梗塞のみ有意差有り）が高まるということがわかったそうです。

　過去の研究では、食事から多くのカルシウムを摂った場合では心臓病リスクは高まらないとしていることから、研究者らはカルシウムサプリメントの摂取がこれらの心臓病リスクを高めるのではないかとしています。

　各紙は研究者などのさまざまな声を伝えるなど、摂取の是非について論争となっていますがが、やはりカルシウム摂取はまず食事からを基本にすることが重要のようです。

参考：
Calcium pills ‘increase’ risk of heart attack（BBC NEWS　2010.7.29）
http://www.bbc.co.uk/news/health-10805062
　（サイトがリニューアルされ、他紙記事へのリンクもあります）
Risk of MI May Go Up With Calcium Supplements
（MedPage TODAY 2010.7.29）
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/MyocardialInfarction/21448

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2010年07月30日 15:45 投稿