一般用医薬品のリスク分類は不断の見直しが必要(足立政務官)

 3日、衆議院の厚生労働委員会で、民主党・無所属クラブの樋口俊一委員の質問に足立政務官が答えたものです。

2010年8月3日厚生労働委員会(衆議院TVビデオライブラリ)

樋口俊一(民主党・無所属クラブ)(2010.8.3 厚生労働委員会)
  (衆議院TVビデオライブラリ、やりとりは13分30秒から15分40秒)

 樋口委員は、医療費抑制策の一つとして一般用医薬品を活用したセルフメディケーションの推進の必要性について意見を述べ、厚労省の見解を求めました。そして、足立政務官は、漢方やサプリメントも含めたセルフメディケーションの推進の立場を明らかにするとともに次のように答弁を行っています。

 「一類、二類、三類という成分ごとの分類の不断の見直しが重要である。例えば、第二類のものが本当にそのままでよいのかといった調査を進めていきたい。また、新薬事法施行後にどのように副作用報告が変わったかといった調査をしっかりやってきたい。」

 足立政務官は、現状を把握した上で、リスク分類の見直しが必要との考えのようです。

 一方、樋口委員に先だった質問に立った民主党・無所属クラブの福田衣里子委員は、覆面調査の結果(TOPICS 2010.06.18)を受けての厚労省としての具体的対応策について質しています。

福田衣里子(民主党・無所属クラブ)質問(2010.8.3 厚生労働委員会)
  (衆議院TVビデオライブラリ、やりとりは5分40秒から10分40秒)

 足立政務官は今回の結果を受け、都道府県による薬事監視による指導を徹底させることや、今年度も同様の覆面調査を行う、ネット販売の実態調査の範囲を広げることを明らかにしてます。

 審議時間が限られた中で、与党の委員が一般用医薬品の販売制度について時間を割いたのは、やはり消費者や党内外の規制緩和を求める声を無視できないためだと思います。

 今後は行政刷新会議とともに、厚生労働委員会でのやりとりも注視する必要がありそうです。

関連情報:TOPICS
  2010.06.18 2割の店舗で第一類の説明を行わず(覆面調査の結果が公表)
  2010.07.02 スイッチOTCと薬剤師職能の活用(質問主意書)
  2010.04.08 OTC薬は病院でもらう場合と比べた割高感の払拭も必要(厚労相)


2010年08月04日 12:16 投稿

コメントが3つあります

  1. 田中 秀明

    旧薬事法時代にも、指定医薬品が何年かたつと解除されたように、

    第1類医薬品も、同じように何年か経過すると安全性などに問題なしとして、

    第2類、第3類になっていくのでしょうね。

    このペースと、スイッチOTCのペースと、どうなるのでしょうかね?

    樋口議員は、ヒグチチエーンの関係者ですから当然規制緩和でしょうから、

    医師の足立政務官のいう不断の見直しが、どちらの立場にたつのか?

  2.  8月4日の医薬食品衛生審議会薬事分科会安全対策部会では、区分の見直しを行なうために安全対策調査会の下にWGを設ける事が審議事項となり、了承されました。
     ただし、WGの活動内容や設置期間等は、明らかにされませんでした。
     
     第一類医薬品の内、新たに承認されたことにより、3年ないし4年の市販後調査が義務付けられたものは、その後1年以内に見直して区分の指定が改めて為されなければ、自動的に第三類医薬品となります。 尤も、実際には期限内に第一類か第二類かに指定する告示が行なわれるものと見込まれます。 既に、ケトチフェンは第二類とされています。
     第一類にはいってくるものが十分に増えれば、差し支えないのでしょうが、そうでなければ、通過地点になってしまうとの懸念もあります。
     
     第2類医薬品については、見直しの規定が無く、第3類に降りていく道筋が無かったのですが、今回のお声掛かりで、その様な道筋が生まれる事が期待されます。 当初の検討で、やむなく省略された包装容量等への考慮も期待されます。
    例えば、英国などでは同じ製剤でも包装容量により、要薬剤師薬(Pharmacist Only Medicines)と薬局専売薬(Pharmacy Medicines)に分かれています。 更には、米国等では空港等のKioskで販売するために、1回量程度の少分包が、極めて簡略化された表示で販売されている例もあります。

  3. アポネット 小嶋

    まいけるさん、いつもコメントありがとうございます。

    薬事日報で記事が出ましたね。

    【薬食審安対部会】一般薬のリスク区分検証‐店舗からも情報収集・分析
     (薬事日報 HEADLINE NEWS 8月9日)
       http://www.yakuji.co.jp/entry20164.html

    果たして、このWGは機能するのでしょうかね。

    消費者による副作用直接報告など、副作用などOTCに関する情報収集の仕組みやデータベースの整備をしないと、リスク分類引き下げのための通過点になってしまうような気もします。

    OTC薬も副作用DB化推進を(薬事日報社説8月7日)
       http://www.yakuji.co.jp/entry20148.html