子宮頸がん予防ワクチンの接種率アップのため、自治体による公費助成とともに、いくつかの自治体で行われている集団接種ですが、保護者への説明などが求められる養護教諭の間では、集団接種の実施に対しては不安が少なくないようです。
学校で接種「適切」4% 子宮頸がんワクチン、教諭に不安
(47NEWS 9月2日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010090201000171.html
(中国新聞9月2日)
http://www1.chugoku-np.co.jp/News/Sp201009020105.html
(アンケートは昨年7月に岡山市であった日本産婦人科医会のセミナー参加者らが対象で、医療従事者は127人、養護教諭207人、その他の教員101人など。今春、結果をまとめたということなので、もし今、同じ調査をしたら結果が異なるかも)
集団接種は地元足利市でも9月から実施されるのですが、7月に補正予算が成立してから、急遽学校の行事スケジュールに入れることとなり、情報が十分でないままに夏休み中の保護者への説明(これも文書によるものだけ。他市で行われている一般向けの講演会などは現時点では実施予定無し) と接種の確認など、養護教諭は相当大変だったようです。
背景には、年度内に3回接種するためには9月中に第1回の接種を行わなければいけないという行政の都合があるのではないかと思いますが、保護者や本人に十分な説明と理解なく、「今受けないと損」などとして考える時間を与えずに実施するのは若干の疑問を感じます。(もう少し時間をかけてもよかったのでは)
研究チームの岡山大中塚幹也教授の「副作用が起きた場合の対応や、保護者への説明に不安を感じる養護教諭が多いのではないか。医療従事者が説明を担うなど、学校現場の負担を軽くすることが大切」という指摘は、地元の足利市にも言えることで、集団接種を行う場合には、ワクチンに関する情報が十分でない養護教諭へのサポートは必要ではないかと実感します。ここでいう医療従事者というのは、場合によっては学校薬剤師が担う場合も出てくるのではないでしょうか。
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関連情報:TOPICS 2010.07.21 子宮頸がん予防ワクチン、公費助成は必要だが
9月3日 9:20 追記
2010年09月03日 02:05 投稿
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