ジェネリック参入メーカーに思う

 10月1日、第一三共系のジェネリックメーカーの第一三共エスファがスタートしています。

  第一三共エスファ http://www.daiichisankyo-ep.co.jp/

 取り扱いは、S・M配合散やミルタックスパップ30mg、カプトリル錠などの第一三共が取り扱いだった長期収載品の継承と、「DSEP」名で新たに薬価に収載されたイミダプリル塩酸塩錠とアムロジピン錠の2成分の製剤と、他社品のボグリボースやファモチジン製剤などを取り扱います。

 このうち「DSEP」ブランド品ですが、告示された薬価は「EP」ブランド(イミダプリル塩酸塩錠5mgは52.6円、アムロジピン錠5mgは50.8円)と同一で、刻印も同じなので販売提携となっていたので事実上「EP」の承継(「EP」ブランドは経過措置に)です。

 一方、PMDAの情報で刻印を変えただけで中身が同じものがないか調べたところ、イミダプリル塩酸塩錠は「JG」(5mg錠46.4円)、「オーハラ」(5mg錠42.5円)と同じ、アムロジピン錠は「コーワ」(45.2円)、「オーハラ」(44.2円)と同じでした。

 さらに調べると、「EP」ブランドを販売しているエッセンシャル・ファーマ社は、研究所が大原薬品と同じ住所で、取り扱いも「オーハラ」ブランドだけなので、「EP」=「オーハラ」、「DSEP」ブランド品は大原薬品製造の導入品といえるでしょう。

 いつも思うのですが、このように刻印を変えただけで中身が同じものにもかかわらず、薬価に差違がある、私たちは別銘柄として取り扱うことが求められることには疑問を感じます。

 今後、第一三共エスファ社が今後、傍ジェネリックメーカーのように、他社導入品に自社の刻印を入れて、自社のブランド名で販売を拡大していくかどうかは分かりませんが、医師によってはこういった現状を知らずに、ブランドイメージだけで採用を決める場合もあると思います。(特定のジェネリックメーカーに問題があるというわけではありませんが)

 今年4月にスタートした富士フィルムファーマもそうですが、大手メーカーがジェネリックに参入するといっても、実態は他社のGE品を導入して販売するというのが現状のようです。新規参入のジェネリックメーカーに対しては、自社のブランド名を冠しても、少なくとも製造元の表記はしてもらいたいものです。

関連情報:TOPICS 2008.07.11 GE品銘柄別収載を見直すべき(アムロジピン錠データから)


2010年10月01日 11:34 投稿

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