厚労省は12日、「ビクトーザ皮下注18mg」について、インスリン治療からの切り替えによる糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖の発症について注意喚起を行うため、製薬企業に対して、「使用上の注意」の改訂を指示するとともに、医薬関係者に対して速やかに適正使用情報を提供するよう指導したと発表しました。
糖尿病治療薬「ビクトーザ皮下注18mg」に関する医薬関係者向け注意喚起等について
(厚労省 2010年10月12日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000twus.html
糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖の発症は前回記事(TOPICS 2010.09.27)の時点より増え、10月7日までに糖尿病性ケトアシドーシスが4例(うち死亡2例)、高血糖16例が発現していたことが判明したそうです。そして、これら20症例のうち、17症例がインスリン治療から本剤に切り替えた後に発症したものだったそうです。
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社も安全性情報を発出し、死亡例2例の概要を紹介しています。
ビクトーザ®皮下注18mgのインスリン治療からの切り替えにより発生した糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖について(企業提供)(PDF:360KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000twus-img/2r9852000000twz2.pdf
厚労省では、このような状況からは限定された患者でのみインスリン治療から本剤への切り換えが発生しているとも言えない状況も推測されるとして、患者の安全確保を迅速に行うため、下記のような注意喚起を行っています。
- 本剤はインスリンの代替薬ではないこと
- インスリン依存状態の患者(1型糖尿病、インスリン治療が不可欠な2型糖尿病)へは、インスリンから本剤への切り替えは行わないこと
- 本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること
- 既に切り替えを行った患者に対しても、血糖コントロールの状態を確認するなど、インスリン治療に戻す必要のある患者に対して必要な処置を行う必要があること
ビクトーザ皮下注18mg のインスリン治療からの切り替えによる糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖の発症について(PDF:247KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000twus-img/2r9852000000twye.pdf
関連情報:TOPICS 2010.09.27 ビクトーザ皮下注と高血糖
2010年10月12日 16:08 投稿