TOPICS 2009.12.12 で、16歳以上の人にピルを薬局で処方せんなしで販売するという英国内の試行事業を紹介しましたが、今度はlsle of Wight という地域で、13歳以上16歳未満を対象とした試行事業(こちらは販売ではなく、必要者に無料供給?)が開始され、 英国内で波紋を呼んでいます。
Teenage Pregnancy Services and Safeguarding Vulnerable Young People
(lsle of Wight NHS Primary Care Trust 2010.11.1)
http://www.iow.nhs.uk/asp/news/index.asp?record=612&articleID=620
英国では欧州各国の中でティーンの妊娠が多く、この地域でも例外ではないことから、地域のPCTがSexual health servicesの拡大という形で、日頃緊急避妊薬の供給を行っている薬局を活用し、対策に乗り出したようです。
対象は思わぬ妊娠で親に相談できず、緊急避妊薬を求める13歳以上16歳未満の女子に対し、Sexual health services に後日訪問するという条件の下、1ヶ月分の progesterone 単剤のピルを供給するというもので、参加する薬局(地元30薬局のうち10薬局が参加)には次のような条件が求められています。
- 相談室(praivate consultaion room)での相談が行えること
- 緊急避妊薬と避妊薬の長期使用による副作用と合併症について話をすること
- 性感染症に関する情報提供を行うこと
- 地域のSexual health servicesを紹介すること
さすがに日本で中学生に相当する女子に対して、処方せんなしでピルを供給する(説明に理解できるのかなあ)ことには、政治家や宗教関係者から疑問の声が挙がっていますが、今回の試行事業をすすめるPCTは、2008年に保健省が発行した白書(TOPICS 2008.04.05)を引用し、地域の住民にあらゆる避妊方法へのアクセスを改善するため薬剤師を活用することに期待を寄せています。
関連情報:TOPICS
2009.12.12 ピルの処方せんなしでの試験販売始まる(英国)
2008.12.10 ピルのOTC化に向けて、試験販売が開始へ(英国)
2008.04.05 薬剤師はさらなる役割を担うべき(英国)
2007.12.13 英国、ピルのOTC化に向け試験販売を計画
2007.02.06 ピルのOTC化の検討が明らかになる(英国)
参考:
Isle of Wight teenagers to get pill from pharmacies
(BBC NEWS 2010.11.1)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-hampshire-11650100
Anger over Isle of Wight contraception pill scheme
(The Christian Institute 2010.11.1)
http://www.christian.org.uk/news/
anger-over-isle-of-wight-contraception-pill-scheme/
2010年11月02日 13:29 投稿