第5回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会

  薬害の歴史や医薬品の副作用を学ぶための中学生向けの副読本の内容を検討する、「薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会」の第5回会合が12日行われ、第4回までの議論踏まえた教材の原案が示されています。

第5回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会(2010年11月12日開催)
 議事録(12月3日掲載) 厚労省資料(11月17日掲載) WAM NET 資料(11月15日掲載)

資料2:教材の原案(PDF:1970KB)

 議論を踏まえた原案(資料1:教材の基本的な方向性について)ということのようですが、CBニュースにもありますように、薬害の知ってもらうための副読本とはいえ、私もちょっと欲張りすぎて、中学生が十分理解できるかなと思いました。(1時間の枠内で教えられるの?)

 過去の議事録(まだ十分精査していませんが)をみると、薬害教育は公害教育と同じスタンスで社会科・公民の時間(保健体育や総合学習での活用も)に行われるようですが、「くすりとどうかかわるかという」こと(くすり教育)が、保健体育の授業でどの程度理解されているか否かでこの薬害教育の理解も違ってくると思いますね。(中学3年の受験期なので、興味を示さない生徒もいるかもとの意見も)

 薬害の歴史を年表にまとめると。本当にいろいろあったですね。私が大学時代でさえ、こういったことも学ぶ機会がはほとんどなかったですが、皆さんはどうですか?

 今回の薬害教育の目的は、「義務教育の場面において二度と薬害を起こさないためにどうすればいいかということについての子どもが考えるきっかけ」というということのようなので、製薬メーカーや薬事行政の問題をこの副読本でことさらに強調する必要はないとは思いますが、薬害が起こった背景や原因についてもう少しふれてもよいのではないかと思います。

 また、検討会(→第4回議事録)で委員からも指摘があるように、薬害といっても、「くすりそのものに問題」「副作用の拡大が未然に防げなかった」「プロモーションに問題」などさまざまなケースがあり、それを十分踏まえずに「では、自分たちに何ができるか」を中学3年生に考えさせるのは、かえって理解が深まらないのではないかとも思います。

 さらに、何を学習目標にするかももう少し検討しないと、教える学校の先生が実際に教える場合、結構大変じゃないかと思いました。

 もう一度、議事録・資料を見て理解を深めたいとは思いますが、薬害被害者の「伝えたい」という気持ちと、義務教育で「何を教えるか」という目標がまだ若干一致点を見出せていないようにも感じました。(第5回の議事録が出たら確認してみましょう)

 副教材作成後も、内容や活用方法については継続的に検討する必要がありそうですが、薬害を防ぐための医療機関の役割に「消費者(国民)に対して薬の副作用の説明をしっかり説明する」の記載があるなど、現場の私たちもしっかり目を通す必要がある副読本となりそうです。

 今回の検討会での議論を踏まえて、次回の検討会で最終案が示され、内容が確定するようです。 

 なお各回の資料・議事録は下記ページからリンクされています。

薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会
  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ax9a.html#shingi67

関連ブログ:
  第4回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会議事録
   (10しす 2010.11.13)
  http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-9fce.html

関連情報:TOPICS
  2010.09.03 第2回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会
  2010.07.26 第1回薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会

参考:CBニュース 11月12日
     https://www.cabrain.net/news/article/newsId/30810.html

11月18日、12月8日 リンク追加


2010年11月16日 11:15 投稿

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