今回も雑談系です。今日手元に届いた日経DIの「偏差値35でも薬剤師に!?」という記事には衝撃を受けました。
薬学部への志願者数の減で、予備校の偏差値も下がっているだろうとは思っていましたが、記事によれば偏差値もつけられない大学まで存在するとなると尋常ではないです。伝統校も含め偏差値はここ5年で急低下、57.5以上あるのは東京理科大・北里大・星薬大・慶応大・立命館大だけというのは、我々が学生だった頃を考えると、いまや薬学部は難関学部ではなくなってしまったようです。
もちろん、偏差値が全てではなく、入学後の本人の努力と大学による医療人としてのきめ細かい教育の方が重視されるべきですが、その大学からは現場に対しての不満が相当渦巻いていることを感じました。
紙面で登場する教授もそれぞれ「患者の病態を理解し、医師の処方を評価しさらに提案もできるだけの知識、技術、態度を学生に習得させたとしても、薬剤師になった後にそれを生かせる職場がなければ意味がない」「6年制薬学部が最終学年を迎えようとしているのに、いまだに“6年制を出た薬剤師は何ができるのか”について語られていないのは問題だ」と指摘し、現在の薬局や病院が6年制薬学部で学んだことが生かせる職場となっていないことにかなりの懸念を持っているようです。
こういった懸念は、本サイトではすでにしばしば指摘しているところですが、ついに大学が声を出したかという感が強いですね。
この問題の背景には、やはり日薬が薬剤師の将来像について未だ示せていないことと、各地で行われているさまざまな取り組みを全国に広げる、新たな取り組みを提案・実践していくということが行われていないことにあると考えます。
下手に薬剤師職能をアピールすることで、医師会の機嫌を損ねて、現在の分業スタイルなどに影響を与えたくないということも見え隠れしますが。
関連情報:TOPICS 2011.01.01 2011年新年雑感 2009.01.01 新年雑感
2011年01月06日 22:30 投稿
酷い内容でした。
乱立したことで偏差値低下は当然だったのではないでしょうか。
特に新設大学は当初、学生集めのビジネスと思慮しております。
しかし、裏目に出ました。6年制移行と同時に、私大は一斉値上げ。
その結果、定員割れと偏差値低下。
学力の低下はどうでもよく、要は国家試験で絞れば良い話ではないでしょうか。
市場における需給バランスを調整すれば問題ないかと思います。
このような状況であるならば6年制も旧4年制卒もあまり変わらないでしょうね。
何も検証せずに見切り発車で6年制にしたことがそもそもの失敗なのです。
気の毒なのは現学生と多額の費用を背負わされている親御さんです。
職域も広がらなければ6年制の使いようがありません。
来年以降、現行業務が変わらない限り、6年制の費用対効果は全くありません。
関係者は現事情を重く受け止めるべきです。
10しすで、関連記事をアップしています。おもしろいです。
日経DI:その名はボーダーフリー
(10しす 2011年1月21日)
http://tensis.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-dd9c.html