米FDAは13日、アセトアミノフェンが配合された処方薬について、単位当たりアセトアミノフェンの含量を325mgまでに制限すると発表しました。
Prescription Acetaminophen Products to be Limited to 325 mg Per Dosage Unit;
Boxed Warning Will Highlight Potential for Severe Liver Failure
(FDA Drug Safety Communication 2011.1.13)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm239821.htm
Questions and Answers about Prescription Acetaminophen Products to be Limited to 325 mg Per Dosage Unit(FDA 2011.1.13)
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/InformationbyDrugClass/ucm239871.htm
日本語訳概要が、海外公的機関 医薬品安全性情報に掲載されています。
海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.9 No.4
http://www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly9/04110217.pdf
今回の発表は2009年6月の諮問委員会による勧告(TOPICS 2009.07.01)を受けてのもので、3年後からはアセトアミノフェンの含量が325mgを超える配合剤については販売できなくなります。
一方で、OTC製剤も含む単剤のアセトアミノフェンは今回の対象外で、緩和医療で高用量で使用されていることも背景にあるようです。しかし、OTC製剤には1錠(1回)あたり500mgを超えるものもあり(日本は300mgが上限)、アセトアミノフェンによる肝障害を予防するには不十分ではないかとの声もあるようです。
配合剤のみが今回ターゲットになったのは、オピオイド、特にヒドロコドンとの合剤鎮痛薬(Vicodinなど)の濫用が深刻なことや、Vicodinなどのユーザーがアセトアミノフェンが配合されていることを知らずに服用していることも背景にありますが、OTC製品・処方薬ともにアセトアノフェンによる肝毒性のリスクやアルコールを摂取しないことなどが添付文書に明記されることから、生活者や医療専門職へのよりいっそうの注意喚起は図られているとして、現時点ではさらなる規制は行わないようです。(日本でも、アセトアミノフェン配合のOTC医薬品には「服用時は飲酒をしないでください」という文言が使用上の注意の「してはいけないこと」に記されているが、PL配合顆粒など医療用では、明確に飲酒禁とは記されていない)
関連情報:TOPICS
2009.07.01 米FDA諮問委、アセトアミノフェンの安全対策を勧告
2009.05.28 アセトアミノフェンの安全対策(肝障害)が示される(米国)
2009.04.29 OTC解熱鎮痛剤に潜在的リスクの明示を求める(米国)
2005.12.04 アセトアミノフェンと肝不全(米国研究)
参考:
Vicodin, Percocet, Tylenol Will Have Acetaminophen Limits to Protect Liver
(Bloomberg 2011.1.13)
http://www.bloomberg.com/news/2011-01-13/vicodin-percocet-tylenol-will-get-limits-on-acetaminophen-dose.html
2011年2月17日リンク追加
2011年01月14日 12:03 投稿