薬剤の選択・使用には薬剤師も深く関与している実態がある(日病薬)

 日病薬の土屋文人氏は19日に開催された「第10回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」で、昨年11月に日病薬が実施した「薬剤師が行う薬剤業務および看護師が行う医行為の範囲に関する研究」調査の概要を発表しています。

第10回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ
(2011年1月19日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010h85.html

 この研究は、厚生労働省チーム医療推進のための看護業務検討WGにおいて選定された行為のうち、薬剤師が実施する場合には医師との連携協働を前提として、「薬剤の選択・使用」など薬物治療・医薬品安全管理に係る項目について、看護師が行う医行為の範囲と、薬剤師が行う薬剤業務の範囲についてどのようなものがあるかを調査したもので、117 施設227 人が回答しています。(153施設を抽出、回収率74.2%)

資料1 日本病院薬剤師会 資料(PDF:558KB)

参考資料3 日本病院薬剤師会調査「薬剤師が行う薬剤業務および看護師が行う医行為の範囲に関する研究」調査票(PDF:245KB)

 日病薬では、 「薬剤の選択・使用」及び「検査(薬剤・薬物治療関連)」には薬剤師も深く関与している実態があり、薬物治療の安全性確保の観点から、看護業務調査の結果だけに基づいて、今後、看護師による「薬剤の選択・使用」の範囲を拡大することには賛同できないと述べるとともに、少なくとも医薬品の取り扱いに関する看護業務の検討においては医師や薬剤師の意見を重視して議論する必要があるとしています。

 また、土屋氏はスライドで、薬剤師が積極的に取り組む薬剤業務として次のようなものを示しています。

  • 薬物療法プロトコル・マネジメント
  • 積極的な処方提案(患者情報を随時把握)
  • 薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)
  • 医療安全のためのモニタリング(フィジカルアセスメント)
  • 継続的な治療管理
  • 外来化学療法患者への薬剤管理指導、インフォームド・コンセント
  • 持参薬を継続使用する時のリスク患者情報の収集・薬歴管理
  • 抗がん薬等の無菌調製
  • 他の医療スタッフへの助言・相談

関連情報:TOPICS
  2010.03.13 チーム医療の推進に関する検討会 報告書
  2010.02.18 薬剤の選択・使用ができる「特定看護師」創設へ
  2010.01.12 チーム医療における薬剤師の役割

関連記事:医療介護CBニュース(1月19日)
        http://www.cabrain.net/news/article/newsId/31973.html
      m3.com 医療維新(1月19日 要会員登録)
        http://www.m3.com/iryoIshin/article/131195/


2011年01月19日 14:19 投稿

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