TOPICS 2011.01.14 で米国でのアセトアミノフェン製剤の安全対策について紹介しましたが、日本でも対応が行われるようです。
現在、厚労省ではカロナール500mg錠の承認と、1回1000mg、1日4000mgまでの使用が可能となるよう検討をすすめていますが、米FDAの安全対策を受け、20日開催された薬食審の医薬品第二部会が開催で、新薬の審議とともに現在審査中のアセトアミノフェンの安全対策の見直しが示され、了承されています。
薬食審・医薬品第二部会・資料NO14(201年1月20日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010omj-att/2r98520000010ool.pdf
審査中だった薬剤はカロナール細粒、錠、原末などのアセトアミノフェン製剤で、これらは11月29日の第二部会で承認する旨が報告されていました。
厚労省では、投与や長期投与に関係なく発現する恐れがあるとして、今回部会に報告された添付文書案を見直し、「警告欄」などにその旨をより強調する形で記載し、注意を促すことになったそうです。
500mg製剤の規格追加が予定されているカロナール錠についても、米国で1規格あたりの成分配合量を325mgまでとしたことから、500mg製剤の承認を認めるかどうか、今後厚労省とPMDAで再検討することになったそうです。
これで、アセトアミノフェン製剤の添付文書に警告欄(高規格のものだけ?)に肝障害に関する事項が記されるとなると、OTC医薬品(アセトアミノフェンは第2類)の取り扱いはどうなるのでしょうか? (少なくとも指定第2類?)
また、個人的には総合感冒薬など、大包装品の制限なども検討する必要があると思います。
関連情報:TOPICS
2011.01.14 アセトアミノフェン配合鎮痛剤は含量325mgに制限(米FDA)
2009.07.01 米FDA諮問委、アセトアミノフェンの安全対策を勧告
2009.05.28 アセトアミノフェンの安全対策(肝障害)が示される(米国)
2009.04.29 OTC解熱鎮痛剤に潜在的リスクの明示を求める(米国)
2005.12.04 アセトアミノフェンと肝不全(米国研究)
参考:ミクスOnline 1月21日
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40208/Default.aspx
2011年01月21日 10:27 投稿
用法・用量の変更は21日付けで承認が行われています。
昭和薬品化工株式会社が、ニュースリリースで発表しています。
同社では、がん疼痛に関しても今回の承認の範囲の中(1回300mg~1000mg、1日4000mgまで)で使用できるとしています。
解熱鎮痛剤「カロナール」(アセトアミノフェン製剤)の成人における用量拡大ならびに効能追加の承認を取得
(昭和薬品化工株式会社が、ニュースリリース 2011年1月21日)
http://www.showayakuhinkako.co.jp/news_release/press_release110121.pdf
関連情報:
【「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」発刊とアセトアミノフェンに関する申請状況について】の内容を厚生労働記者会、厚生日比谷クラブ、本町記者会へ投函しました。
(昭和薬品化工株式会社が、ニュースリリース 2010年6月23日)
http://www.showayakuhinkako.co.jp/news_release/press_release100623.pdf
がん緩和ケアガイドブック 2008年版(日本医師会・13.5MB)
http://dl.med.or.jp/dl-med/etc/cancer/essence2008.pdf
医療用麻薬適正使用ガイダンス
~がん疼痛治療における医療用麻薬の使用と管理のガイダンス~
(厚労省2009年)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/other/iryo_tekisei_guide.html
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/iryo_tekisei_guide.pdf