薬害被害者や団体消費者団体などの16団体は21日、一般用医薬品のインターネット販売規制の継続を求める意見書を、菅直人首相や蓮舫行政刷新担当相、細川律夫厚生労働相、消費者委員会委員長宛に提出しています。
「一般用医薬品のインターネット販売に関する意見書 -安全性を無視した規制緩和に反対する-」提出(薬害オンブズパースン会議 2011年1月20日)
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=773
http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/20110121ippanyouiyakuhin-nethabbai.pdf
意見書でこれら団体は、IT戦略本部の専門調査会ですすめられているインターネット販売の規制緩和への動き(TOPICS 2010.12.02)について
- これまで長年かけて議論した「改正薬事法」に至る議論を無視するものである
- 専門調査会の委員は、インターネット販売業者やインターネット等の情報通信に関する専門家で占められており、医学・薬学の専門家や薬害被害者など医薬品のリスクについて十分な知識を有する委員は含まれていない
- 薬害被害者団体には直接のヒアリングをせずに書面で簡単な回答を求めただけで、消費者団体等にはいかなる形式のヒアリングも実施していない
- 審議もヒアリングを実施した日の僅か1回だけであり、今後の議事日程を見ても、充分な審議時間の確保は見込まれず、国民の生命・健康に関わる問題の議論としてはあまりにも短期間である
と指摘し、「対面販売を原則として医薬品の安全性を確保していこうという改正薬事法の理念が損なわれかねない」と批判しています。
また、CBニュース(動画あり)によれば、 薬害オンブズパースン会議の中川素充弁護士は会見で、「(一連の議論は)新しい勢力であるネット販売業者対既存の店舗業者、薬剤師会といった対立構造に仕立て、消費者や副作用被害者の声がほとんど反映されていない。意図的に無視されているかのように感じる」などと述べ、規制緩和を前提とした今回の議論の進め方を問題視しています。
関連情報:TOPICS
2010.12.02 IT戦略本部の専門調査会がネット販売等に関するヒアリングを実施
参考:医療介護CBニュース(2011年1月21日)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/32040.html
2011年01月22日 10:52 投稿