以前から必要性が求められていた、医療用医薬品のインタビューフォームのOTC医薬品版の作成の準備が現在進行中だそうです。
【日薬】OTC薬のインタビューフォーム作成へ‐消費者への説明責任に対応
(薬事日報 HEADLINE NEWS 2011.1.31)
http://www.yakuji.co.jp/entry21820.html
日薬では既に、「開発経緯や製品の特徴および有用性」「溶出試験など製剤に関する事項」「通常用量での血中濃度やバイオアベイラビリティなど薬物動態」「副作用発生頻度」などのフォーマットを作成済みのようで、今後、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と共に、日本OTC医薬品協会などへ協力を要請するとのことです。(ちなみに、医療用医薬品のインタビューフォームも、日本病院薬剤師会が策定したインタビューフォーム記載要領に基づいて、製薬企業が作成し提供されている)
おそらく、PMDAにも掲載されている一般用医薬品の承認審査に関する情報(→リンク)を整理するという形になると思いますが、「なぜ医療用医薬品と異なる効能効果、用法用量が設定されたか」「どのような理由で使用制限が加えられたか」など、OTCとして承認するにあたってどのようなことが議論になったかも網羅して頂ければと思います。(でも、まず無理か)
また、OTC版もおそらく製造承認に関する資料を元にメーカーが作る形になると思うので、実際どのような生活者(医者にかかっている、既往歴がある、年齢、2回目以上の購入など)が使用するかを想定した対応法については、薬剤師会と日本チェーンドラッグストア協会が協力して、別途独自に作成する必要があると思います。(=販売ガイダンス)
関連情報:TOPICS
2010.04.29 OTC医薬品の使用環境における問題点と今後の課題(学会シンポ)
2009.09.14 インタビューフォーム記載要領2008
2011年02月01日 00:38 投稿
現時点では、そこまでダイナミックに進展しているわけではありません。 日薬のWGにおいて、病薬の実績を下敷きに骨格案の整備に取り組んでいるところと理解しています。
企業側でも、明治薬科大学の古澤先生の報告書に指摘されている専門家向け情報提供の充実に呼応する形で、対応が必要としています。JACDSでも、日薬の動きを歓迎し、活用する考えが出されています。
他方、これまでに第一類医薬品については、機構や厚生労働省での審査において、様々な注文が付き、企業からは膨大な資料の提供が薬局・薬店に対して為されているという実態があり、これらの負担軽減とセットにならなければ、まず動かないだろうという指摘があります。 企業の添付文書集も、来ないという苦情と裏腹に、送付されると直ぐゴミ箱行きと自慢される方も居られます。
需要者の適正使用推進というベクトルで、揃うことを願っています。
いつもコメントありがとうございます。
タイトルを「進行中」を「準備が進行中」に改めました。
>これまでに第一類医薬品については、機構や厚生労働省での審査において、
>様々な注文が付き、企業からは膨大な資料の提供が薬局・薬店に対して為さ
>れているという実態があり、これらの負担軽減とセットにならなければ、まず
>動かないだろうという指摘があります
確かに同じような情報は、メーカーさんに負担になりますし、結果的にそれが販売価格にはねかえる思います。
OTC版インタビューフォームを充実させ、販売店向け資料は簡略化するというのも一つの方法かと思います。