前記事で、在宅における薬剤師業務をどう評価するかの議論が開始されたということを紹介しましたが、これとは別に医療提供体制の改革の検討が行われている社会保障審議会医療部会でも、在宅医療における薬剤師の役割と課題が話し合われています。
日薬からは山本信夫氏が委員として参加しているのですが、昨年12月22日に行われた第15回会合と2月17日に行われた第16回会合で意見を述べています。
在宅医療における薬剤師の役割と課題(第15回医療部会 山本委員提出資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000zap2-att/2r9852000000zatv.pdf
第15回議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001225j.html
薬局薬剤師が在宅医療に積極的に参画する上での課題(第16回医療部会 山本委員提出資料)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000012qn3-att/2r98520000012quu.pdf
山本委員は、第14回医療部会で、在宅医療における薬剤師業務の課題として
- 薬剤師による在宅訪問業務の医療福祉関係者への周知・理解不足
- 在宅訪問業務の応需可能な薬局の情報不足(届出情報と実際の対応可否に乖離)
- 在宅訪問業務に対応できる薬局・薬剤師の不足(経験不足、薬局規模、経営上の効率)
- 24時間、365日体制の構築
- 麻薬の供給、無菌調剤が必要な製剤の供給
- 医療・衛生材料の供給
- 医療保険と介護保険のシームレスな連携
などを挙げ、課題の解決に向けては次のような方策が必要だとしています。
- 多職種との連携・協働の促進
- 薬局・薬剤師の在宅訪問業務の応需状況の把握と情報公開
- 薬局の役割や機能について、患者や医療福祉関係者への周知
- 退院時共同指導や在宅医療移行後のカンファレンス等への薬局・薬剤師の参画
- 薬剤師間(病院・薬局間、薬局間)の連携促進
- 在宅医療に取り組む薬局・薬剤師のさらなる養成・支援(研修会の開催、手順書作成等)
- 必要な薬剤の供給に関わる薬事制度や規制の検討
- 医療関係団体間の連携の推進・強化
第16回医療部会では、在宅医療と連携についてのプレゼンが行われ、「ニーズに応じて包括的な医療・介護サービスが地域の中で提供されるよう、医療機関、薬局、訪問看護事業所、介護サービス事業所、介護施設等による包括的な連携を進めるために、どういう連携強化策が考えられるか。」などの論点が示されています。
在宅医療と連携について(第16回医療部会 資料2)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000012qn3-att/2r98520000012qxh.pdf
資料:社会保障審議会医療部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f07.html#shingi22
関連情報:TOPICS 2011.02.16 在宅における薬剤師業務をどう評価するか(中医協)
関連記事:医療介護CBニュース2月17日
https://www.cabrain.net/news/article/newsId/32541.html
2011年02月17日 17:54 投稿