2007年10月にまとめられた「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」において、品質確保のための国による取組みとして、「ジェネリック医薬品品質情報検討会」が設置されていますが、2月9日に第6回の検討会が非公開で開催され、このほど議事概要と資料が公表されています。
ジェネリック医薬品品質情報検討会(国立医薬品食品衛生研究所 ウェブサイト)
http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged.html
第6回ジェネリック医薬品品質情報検討会 議事概要
http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged/6Generic.html
第6回検討会ではまず、第5回検討会において、製剤試験ワーキンググループ(WG)で検討することとなった治療濃度域の狭い医薬品のうち、検討が必要な医薬品として、次のような医薬品を選定しています。(資料6-1)
- テオフィリン徐放錠
- カルバマゼピン錠
- グリベンクラミド錠
- バルプロ酸ナトリウム錠
- バルプロ酸ナトリウム徐放錠
- ジソピラミドカプセル
- リン酸ジソピラミド徐放錠
- プラゾシン錠
また、第5回検討会において後発品で腎障害が多いとの指摘があったシスプラチン注射剤6製剤(ブリプラチン注10mg、プラトシン注、ランダ注10m、シスプラチン注10mg「日医工」、シスプラチン点滴静注10mg「マルコ」、シスプラチン点滴静注液10mg「マイラン」)についての純度試験の結果が報告され、製剤間で不純物量に大きな差はなく問題はないとの報告がなされました。(資料6-2)
さらに検討会では、平成22年4月〜平成22年9月の文献及び学会発表(品質関係11報、臨床関係38報)(資料6-3-2)や、平成22年度の上半期に医薬品医療機器総合機構に寄せられた相談内容等(資料6-4)の検討が行われ、後発医薬品の品質に明らかに問題があることを示すものはないとの評価が行われた一方、文献等で取り上げられたものについて、当該文献等の内容のみでは後発医薬品の品質について判断できないとして、念のため「アスピリン腸溶錠」についてワーキンググループ(WG)で検討することになりました。
また、メルクマニュアル家庭版(日本語訳)におけるジェネリック医薬品に関する記述について、誤解を招く表現があったとして、メルクに対して修正を求め、修正されたことが報告されたそうです。
ブランド薬とジェネリック薬(メルクマニュアル家庭版・オンライン版)
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec02/ch017/ch017a.html(→リンク)
該当ページを確認したところ、注釈が追記された他、次のページの表の表題が「ジェネリック薬での代替調剤が適切でないこともあり得る場合」と改められています。(今までは「ジェネリック薬での代替調剤が不適切な場合」との表記でした。手元にある書籍版で確認)
ジェネリック薬の開発 (メルクマニュアル家庭版・オンライン版)
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec02/ch017/ch017c.html
ちなみに原本は、”When Generic Substitution May Not Be Appropriate”という表現です。
Bioequivalence and Interchangeability of Generic Drugs
(Merck Manual Home Edition)
http://www.merckmanuals.com/home/sec02/ch017/ch017b.html
関連情報:TOPICS
2010.10.07 第5回ジェネリック医薬品品質情報検討会
2010.01.22 第4回ジェネリック医薬品品質情報検討会
2009.07.15 第3回ジェネリック医薬品品質情報検討会
2009.01.07 第2回ジェネリック医薬品品質情報検討会
2008.08.30 第1回ジェネリック医薬品品質情報検討会
参考:【シスプラチン製剤】先発・後発で純度差見られず
(薬事日報 HEADLINE NEWS 2月10日)
http://www.yakuji.co.jp/entry21946.html
2011年02月21日 10:10 投稿