日薬のHPを訪問している方は既にご存知と思いますが、自殺対策強化月間となっている来月3月(例年自殺者が多いため)に向け、日薬はさまざまな取り組みを呼びかけています。
いのち支える自殺対策(内閣府 政策統括官 共生社会政策担当)
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/index.html
平成22年度自殺対策強化月間
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/kyoukagekkan/h22/index.html
3月は自殺対策強化月間です
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/kyoukagekkan/march.html
詳細は会員向けページ(オープンアクセスでもよいという気も)をご覧になっていただきたいのですが、日薬では「薬剤師は、薬に関する専門知識を持った「ゲートキーパー」として、大きな役割を果たすことが期待されています。」と地域薬剤師の関わりを呼びかけるとともに、厚生労働省による地域の関係機関の連携強化や医療関係者への研修などの施策が計画されていることを明らかにしています。
では実際どういう関わりがあるかというと、下記ページで、本サイトでも紹介した静岡県富士市の取組が動画で紹介されているので、これを見るとおおよそ検討はつきます。
せっかくの機会ですので、日薬独自に動画を作成して、具体的な取り組み策を紹介してもよかったと思います。(富士市の薬局でビデオとればいいと思うのですが)
眠れてますか?
~うつの早期発見と自殺予防~一般編
(睡眠キャンペーン解説映像 内閣府 2011.02.26)
http://wwwc.cao.go.jp/lib_004/jisatsutaisaku/20100226suimin.html
眠れてますか? うつの早期発見と自殺予防
(政府インターネットテレビ 2010.09.30)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg3832.html
上記ビデオを見ても分かるように自殺対策における地域薬局や地域薬剤師の期待は大きく、3月の自殺対策強化月間では積極的な取組みが必要です。これは、公衆衛生分野における地域薬局や値域薬剤師の役割~職能発揮にもつながっていくからです。
事例紹介:「富士モデル事業」
-産業都市・富士市における働き盛り世代の自殺予防対策-
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2008/html/honpen/jirei/jirei05.html
なお、私も会員になっている日本社会薬学会(http://www.syakaiyakugaku.org/)では、期間中の3月19日(土)に都内で、「自殺者3万人時代を、薬剤師はどう食い止めることができるのか?」をテーマにフォーラムを行います。(会費1,000円、学生は無料)
平成22年度 第2回社会薬学会フォーラム
http://www.syakaiyakugaku.org/meeting/meeting-index.html
2009年の毎日新聞の連載記事で、地元での取り組みが紹介された畠中岳氏などのお話が聞けるということので、参加するかどうか現在検討中です。
関連情報:TOPICS
2010.10.22 自殺対策で薬剤師の活用は必要(参院厚労委)
2010.09.10 薬剤師は適切な医療に結びつけるキーパーソン(自殺対策PT)
2010.05.29 地域薬局は自殺・うつ病対策のゲートキーパーとならないのか
2011年02月26日 00:18 投稿
デンマーク医薬品庁は、青少年の自殺者の増加にかんがみ、OTC鎮痛剤の販売に関する年齢制限を18歳に引き上げるとしました。施行は3月7日です。
また、薬局外でのOTC医薬品販売については、引き続き15歳未満への販売を禁止するとしています。
薬剤師のいるOutletである薬局と、それ以外での峻別は注目されるべきと考えます。
情報ありがとうございます。デンマーク医薬品庁のインフォメーションは下記ページですね
Age limit of 18 years introduced for buying painkillers
(Danish Medicines Agency 2011.02.18)
http://laegemiddelstyrelsen.dk/en/service-menu/news/age-limit-of-18-years-introduced-for-buy–ainkillers
Info for pharmacies about new age limit of 18 years for painkillers
http://laegemiddelstyrelsen.dk/en/service-menu/news/age-limit-of-18-years-introduced-for-buy–ainkillers/info-for-pharmacies-about-new-age-limit—ainkillers
対象品目は以下のページに掲載されています。
Salg af håndkøbslægemidler med begrænset udlevering
http://laegemiddelstyrelsen.dk/~/media/2358097731464A00ACB48A8AB782160F.ashx
アセトアミノフェン(パラセタモール)、イブプロフェン、アスピリン配合剤などが並んでいますね。
今回の措置の背景はこれらの情報だけでは不明ですが、自殺目的で鎮痛剤を購入する人がいるということなのでしょう。
日本でも、頻繁に鎮痛薬や総合感冒薬(特にアセトアミノフェン配合のもの)を買いに来る人に対しては、自殺目的がないとしても、肝障害の危険性だけは伝える必要があるかもしれませんね。
それと睡眠改善薬を購入する人への介入ですが、商品にキャンペーンを伝える添付できるようなシールみたいなものは作れないのでしょうか?
WEB記事も見つけました。
Piger vil begå selvmord med piller
(Ekstra Bladet 2011.02.12)
http://ekstrabladet.dk/nyheder/samfund/article1503064.ece
デンマークではここ10年間で中毒と自殺未遂者が2倍に。
また、12~20歳の女子の鎮痛剤服用後の中毒などによる入院事例が2009年には1135例に達し、これは前年比25%増とのこと。
デンマークでは100~300錠入りのものが売られていることも関係しているとの記事のようです。
警告のラベルなどの対策を行った他、包装数の制限も検討したようですが、それはできないらしく今回の措置に踏み切ったのでしょう。
日本でも自殺目的で購入する人がいることを念頭に置く必要がありそうですね。
毎日新聞岩手版で、盛岡市の取組が紹介されています。
自殺防止:薬局でうつ質問票 盛岡薬剤師会など、不眠薬長期処方患者に配布へ/岩手
(毎日新聞 3月5日)
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20110305ddlk03100011000c.html
試験配布なので、全市的な取り組みというわけではありませんが、行政が地域における薬局の機能を活用するという点で注目したいと思います。
全国に広がるといいな。
社会薬学会が3月19日(土)開催予定の「第2回社会薬学フォーラム」は、延期することになったそうです。