ブランドイメージが浸透しつつあるロキソニンSですが、卸から注文すると右の「使用者向医薬品ガイド」などが送られてきます。
過去の記事でも紹介しましたが、第一三共ヘルスケアではこのガイド位置づけについて、「ロキソニンSは適正使用の徹底のために販売時からお客様に「使用者向医薬品ガイド」を使って説明し、お渡ししていただくことが義務付けられています。「使用者向医薬品ガイド」は第1類医薬品の説明文書に替わるものです」としていますが、いったいどのような経緯で義務となったのでしょうか?
調べてみたところ、審査報告書や申請資料、それに審議を行った一般用医薬品部会や薬事分科会の議事録を見ても、義務付けとすべきとの記載はありません。
審査報告書→リンク 申請資料概要→リンク (PMDAウェブサイト)
薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会議事録(2009.11.25)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/txt/s1125-27.txt
薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録(2009.12.21)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/txt/s1221-16.txt
この冊子は、確かによくできてはいるのですが、しかし、問題点はないのでしょうか?
- 内容は添付文書をわかりやすくしたものではあるが、文書での情報提供は、薬剤師が個々の顧客に合わせて必要に応じて加工すべきものであり、画一的な文書では不適切ではないか
- 使用者向医薬品ガイドには情報提供を行った薬局・薬店名を記載するスペースはなく、また薬剤師が必要と判断したことを追加する欄もない
- 義務付けるのであれば、通知などで徹底させるべきである。そもそも、誰がいつ義務付けと決めたのか
承認から発売まで1年かかったことを考えると、おそらくメーカーは、スイッチを懸念するさまざまな方面からの圧力によって、販売時の情報提供を強化することが求められた結果、このようなものができたのではないかと想像できます。
しかし、こういったものが今後一般化されてしまうと、使用者ごとに提供すべき情報の選択に薬剤師がその職能を発揮する必要がなくなるということはないのでしょうか?
ある薬剤師からは、「こういう画一的な情報提供でもいいのなら、第一類医薬品もネット販売可能といわれても仕方がないかもね」と言われました。確かにそうですね。
それと、ここまで情報提供を要求するのであれば、処方で調剤されるロキソニン錠(ロキソプロフェン錠)の情報提供も充実させなければいけないということになると思うのですが。
ロキソニンS公式サイト
http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/
関連情報:TOPICS
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2009.12.24 ロキソニンOTC品の添付文書(案)
2011年04月09日 12:12 投稿