20日、中医協の総会が開かれ、12月から1月に行われた明細書発行に関する実施状況調査の結果の概要が明らかになっています。
第189回中央社会保険医療協議会総会(2011年4月20日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018toj.html
保険薬局については、全国の保険薬局の中から無作為に抽出した800施設のうち531施設が回答、またこの回答した施設を利用した829人(本人82.3%、家族など15.0%、女性が66.8%)が患者調査(1施設につき最大3名)として回答をしています。
明細書発行原則義務化後の実施状況調査 結果概要(速報)(案)(資料(総-8))
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018toj-att/2r98520000018tzr.pdf
注目は患者調査(保険薬局)の方ですが、次のような結果が示され、病院などと比べると無料発行の必要性が少ないようにも感じられます。
- 調査日における明細書の受け取り状況は66%(547人)で、このうち必要だと思った人は14.8%、どちらかといえば必要だと思った人は20.7%、どちらかというと必要ない必要ないと思った人は31.3%、必要ないとと思った人は32.9%だった
- 受け取った547人に尋ねたところ、明細書の内容がわかりやすいと答えたのは23.6%、また治療・検査・薬などの具体名がわかりやすくなったと答えた人は22.9%、良かったことは何もないと答えた人は31.3%だった
- 明細書無料発行に関する今後の希望についてについて回答した人(829人)に尋ねたところ、会計の都度、明細書発行を希望すると答えたのはわずか10.1%で、希望しないと答えた人は40.1%に達した
- また、全ての患者に明細書が無料で発行される制度の必要性について回答した人(829人)に尋ねたところ、必要と思うと答えたのはわすか11.5%で、どちらかというと必要ない(32.9%)、必要ない(36.3%)など医科などに比べると必要性が少ないとの回答が得られた
また、個別意見としては次のような意見が寄せられたそうです。
- 病院の明細書は検査の内容がわかるためほしいが、薬局は薬の説明書があるので、領収証だけで十分である。
- 病院・診療所等では明細書発行を希望するが、薬局では希望しない。
- 高額の医療費がかかった時は必要かもしれないが、通常の処方では最初の1 回のみで十分。紙資源の無駄と思う。
- 薬の内容、効果、副作用は説明書が他にあるので明細書は必要ない。
- 毎回同一の薬をもらっているので、初回のみで良い。
- 希望する人にだけ発行すればよい。
- 待ち時間が長くなった。個人情報が表に出やすくなったのが不安。あまり用途がわからなので、明確に説明していただければ助かる。
- 今までどの薬にいくらかかっていたのか、どのような計算をしているのかが分からなかったが、明細書をもらうことでわかるようになったのがとてもよかった。
- 薬の価格を意識することにより、必要以上の薬をもらうことがなくなる。また、明細書をもらうことで安心感がある。さらに、後日送られてくる健康保険組合からの医療費の明細と照合する際に役に立つ。
- いつも何気なくもらって帰るが、結局内容自体の知識はないのでよく意味はわからずそのまま捨てることが多い。点数で書いてある数字は意味がわからないので必要ないのかもしれない。
なお調査票は、下記ページにあります。
平成22年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(平成22年度調査)
(2010年11月10日開催 中医協 総-2-4)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000vynl-att/2r9852000000vz4w.pdf
関連情報:TOPICS 2010.04.03 薬害防止対策としての明細書発行
2011年04月20日 12:17 投稿