第2回医薬品等制度改正検討部会

 厚生科学審議会の医薬品等制度改正検討部会の第2回会合が21日開催され、医薬品等の承認時及び販売後における安全対策の強化など薬事法改正に向けた本格的議論が開始されています。

第2回厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会
 (厚労省2011年3月22日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018rto.html

 第2回は医薬品関係者の安全対策への取組みの促進についてのフリーディスカッションが行われ、事務局が示した下記のたたき台(資料1:医薬品等関係者の安全対策への取組みの促進について)をもとに意見が交わされたようです。(詳しくは後日公開の議事録で)

  1. 薬害発生・拡大防止の理念
  2. 医薬品等をしようするにあたっての患者(国民)の役割
  3. 医療関係者から患者に対するリスク情報提供の責務(資料2-1
  4. 審査・承認後に判明したリスクへの対応の強化(資料2-2
  5. 添付文書等に常に最新の状況が反映されるような措置の導入(資料2-3
  6. 医薬品等監視・評価組織(資料2-4
  7. その他(副作用報告先の一元化(資料2-5)、回収の指導強化)

 総論を示した資料1によれば、私たちと関係が特に深い上記3については、留意点として「情報提供の範囲について整理が必要」としながらも、「個々の副作用すべてを患者に提供することは現実的に可能か」「患者の望みうる情報として、医薬品等の使用後に新たに分かったリスク情報や副作用などの内容を患者に伝えることが、一般の医療の中でどこまで実施可能か」が論点となっているようで、個人的には今回の会合でどのような議論が行われたかを注目しています。

 確かに、PMDAによる情報発信、重篤副作用疾患別対応マニュアル、患者向医薬品ガイドの作成など、一般向けリスク情報は以前と比べ充実されています。しか一方で、これらがどの程度活用されているかというと疑問があります。

 もちろん、作成したものをただ渡せばいいというものではありません。渡すことでかえって不安を与える可能性もあるからです。やはり、現場にとっては医師が果たして処方時にどれだけリスク情報を事前に提供しているかがネックとなります。

 現在この部分については、「緊急安全性情報等の提供に関する指針について(案)指針としてまとめられ、4月29日までのパブリックコメント(TOPICS 2011.03.31)が行われていますが、作成方法だけではなく、例えば、「患者向医薬品ガイドは必ず患者さんに渡す」など、配布や活用方法までの指針が示されないとうまくいかないような気もしています。(意見提出するかどうかは思慮中)

 また、紹介が遅れましたが、上記4についても「医薬品リスク管理計画(RMP)ガイダンス(案)」としてまとめられ、こちらも20日からパブリックコメントが開始されています。

医薬品リスク管理計画(RMP)ガイダンス(案)」に関する意見募集の実施について
(案の公示日 2011年04月20日 意見・情報受付締切日 2011年10月31日)

 いずれにせよ、私たちの業務や職能と関連が深い議論が行われていますので、議論の行方には注目したいですね。

関連情報:TOPICS
 2011.03.30 第1回医薬品等制度改正検討部会
 2011.03.31 緊急安全性情報等の提供に関する指針(案)

参考:医療介護CBニュース4月21日
     http://www.cabrain.net/news/article/newsId/33789.html


2011年04月23日 11:02 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    議事録がアップされました。

    第2回厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会議事録
    (2011年4月21日開催)
    http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001aihx.html