水薬用CR 容器の普及と積極的利用促進などを提言(東京都)

  昨年の10月27日から始まっている、子供に対する医薬品容器の安全対策について検討が行われている東京都商品等安全対策協議会(TOPICS 2010.11.04)ですが、震災の影響で延期となっていた第5回の協議会が27日行われ、CR(チャイルドレジスタンス)容器の導入モデル調査の実施などを盛り込んだ提言(報告書)が提出されています。

子供を医薬品の誤飲事故から守るために
東京都商品等安全対策協議会がCR容器の導入モデル調査の実施などを提言!!
(東京都生活文化局 2011年4月27日)
http://www.anzen.metro.tokyo.jp/tocho/kyougikai/10th/houkoku.html

協議会では、

  1. 医薬品の誤飲防止には適切な保管と利用が重要で、消費者への注意喚起が不可欠。一方、注意喚起に限りがあること踏まえ、CR容器の導入拡大も必要。
  2. 子供を持つ保護者でCR容器を知らなかった人は約7割。医薬品をCR容器に入れる必要性を感じる人は約9割にのぼる。
  3. CR容器導入拡大には、消費者への説明など、薬局の協力が不可欠。
  4. まず、消費者にCR容器の存在を知ってもらい、使用してもらうとともに、誤飲防止対策の一つとして積極的に発信していくことが必要。

といった意見が示され、今後次のようなことを行うことを提言しています。

(1)水薬用CR 容器の導入モデル調査の実施
  • 東京都及び薬剤師会は、薬局及び消費者に対してCR容器に対する認知度を向上させるとともに、利用拡大に向けての課題を一層明確化するために、水薬用CR容器を薬局及び消費者が実際に使用し体験し、その効果の検証等を行う調査を実施すること
(2) 水薬用CR 容器の積極的利用促進
  • 薬剤師会は、子供用水薬誤飲防止対策として、CR容器の積極的利用を呼びかけること東京都は、その取組を支援するCR容器の普及広報活動等を実施すること
(3) その他の医薬品や家庭用品でのCR 容器普及への取組
  • 東京都は、子供が誤飲し得る商品を取り扱う事業者団体へ、誤飲防止のためのCR 容器普及に関する取組について働きかけること
  • 日本包装技術協会は、CR容器普及に関する取組を行うこと
(4) 誤飲防止について消費者へ積極的な注意喚起・普及啓発
  • 東京都は、子供のいる家庭の保護者に対し、子供の誤飲事故の危険性、医薬品等保管の重要性及びチャイルドレジスタンスの考え方などについて普及啓発すること
  • 国は、子供の誤飲事故情報の収集・提供等、誤飲防止対策に積極的に取り組むこと薬剤師会は、医薬品の保管に対して、薬局窓口で消費者啓発を行うこと

  子供用水薬を中心とした医薬品容器の安全対策 報告書概要 [PDF 64KB]
  子供用水薬を中心とした医薬品容器の安全対策 報告書全文 [PDF 1,141KB]
  チャイルドレジスタンス(CR)の考え方 [PDF 71KB]

 果たして、CR容器の普及が今後進んでいくでしょうか? まずは実証調査ですね。

東京都商品等安全対策協議会(東京都商品等安全対策協議会)
 http://www.anzen.metro.tokyo.jp/tocho/kyougikai/10th/kyougikai.html

関連情報:TOPICS
  2011.02.03 CR容器の存在を知っている保護者は約3割にとどまる(東京都)
  2010.11.04 シロップ瓶にもチャイルドレジスタンス機能の導入が必要


2011年04月28日 01:01 投稿

コメントが4つあります

  1. アポネット 小嶋

    CR容器利用に伴う追加に必要な容器代を都が負担し、夏から調査を開始するそうです。

    朝日新聞東京版5月3日
    http://mytown.asahi.com/areanews/tokyo/TKY201105020451.html

    この調査結果を報告書にまとめ、国に普及対策を提言することも検討するとしています。

  2. アポネット 小嶋

    薬事日報の社説です

    注目されるCR容器普及の提言
    (薬事日報社説 5月13日)
    http://www.yakuji.co.jp/entry23010.html

  3. アポネット 小嶋

    東京都は、CR容器を約76,000個用意し、モデル調査を開始したそうです。

    都 子供の薬誤飲防止で「安全容器」普及を
    (日テレNEWS 24 10月1日 動画あり)
    http://news24.jp/articles/2011/10/01/07191794.html

  4. アポネット 小嶋

    モデル調査の報告書が掲載されていることに気づきました。

    水薬用チャイルドレジスタンス容器モデル調査実施結果をまとめました
    (東京都生活文化局 2012年4月23日)
    http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h22/matome.html

    調査は都内の254協力薬局等にCR容器、消費者用調査票等を各300セット配付し、協力薬局等にて小児用水薬を調剤する際、都民(患者の保護者)にCR容器を使用してもらい、調査票を郵送で送ってもらうという方法をとったそうです。

    水薬用チャイルドレジスタンス容器導入モデル調査報告書
    (東京都生活文化局消費生活部生活安全課 2012年3月)
    http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h22/pdf/cr_houkoku.pdf