アセトアミノフェンの長期連用と血液がんのリスクについて調べた研究が Journal of Clinical Oncology 誌のオンライン版に掲載されています。
Long-Term Use of Acetaminophen, Aspirin, and Other Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs and Risk of Hematologic Malignancies: Results From the Prospective Vitamins and Lifestyle (VITAL) Study.
(Journal of Clinical Oncology, published online 9 May 2011.)
http://jco.ascopubs.org/content/early/2011/05/06/JCO.2011.34.6346
これは、50歳から76歳までの男女 64,839 人を対象に行われている The Vitamins and Lifestyle (VITAL) study という大規模前向きコホート研究で、約6年間追跡調査をした結果、577人の血液がんが見つかったそうです。
このうち週4回以上4年以上アセトアミノフェンを長期連用している場合は、血液がんのリスクを1.84倍にするという結果が得られています。
リスクが高まったのは、骨髄性の腫瘍(myeloid neoplasms)が2.26倍、非ホジキン病が1.81倍、形質細胞障害(plasma cell disorders)が2.42倍などですが、慢性リンパ球白血病(chronic lymphocytic leukaemia)、小リンパ球白血病(small lymphocytic lymphoma)ではリスク増は認められなかったそうです。
一方、アスピリンやイブプロフェンなどのNSAIDsではリスクの増加は認められなかったそうです。
研究者らによれば、50歳以上の人が血液がんになる確率は1%とのことで、長期連用した場合はそれが2%になるというものだそうですが、関連性の理由ははっきりわからないそうです。また、この研究では鎮痛薬がどのくらいの用量で使われていたかという問題点もあるそうです。(ちょっとした風邪でアセトアミノフェンが配合された総合感冒薬や痛み止めに頼る人はどうなんでしょうね?)
参考:
High Use Of Acetaminophen, Paracetamol, Linked To Blood Cancers
(Medical News Today 2011.5.10)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/224716.php
Acetaminophen tied to blood cancers
(MedlinePlus 2011.05.09 Reuter配信)
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/news/fullstory_111878.html
2011年05月15日 18:40 投稿