以前米FDAがバイアグラなどのPDE5阻害薬について、突発性難聴の潜在的リスクがあるとしてラベルの変更を行った(TOPICS 2007.10.09)ことを紹介しましたが、The Laryngoscope 誌に各国の報告事例を検討した研究が掲載されています。
Viagra deafness—Sensorineural hearing loss and phosphodiesterase-5 inhibitors
(The Laryngoscope 2011; 121: 1049–1054)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/lary.21450/abstract
Viagra ‘linked to hearing loss’
(NHS Choices 2011.05.19)
http://www.nhs.uk/news/2011/05May/Pages/viagra-linked-to-hearing-loss.aspx
この研究は欧州、北南米、東アジア、オセアニア各国の医薬品規制機関に寄せられた、PEE5阻害薬服用後の突発性難聴(sudden sensorineural hearing loss)の報告事例を検討したもので、47例について関連性があるとしています。
- 事例の平均年齢は56.6歳で大部分は男性
- 66.7%がPDE5阻害薬服用後24時間以内に発症
- 聴力損失は88%が片側のみ
- 事例の50%超がシルデナフィル(バイアグラ)によるもの
研究者らは米FDAの有害事象報告システムにも240例のPED5阻害薬服用後の聴力損失があったとしていますが、既往歴などのデータが不十分だとして今回の研究からは除外したそうです。
この結果を持って、関連性があるとは断定はできませんが、留意することは必要かもしれません。(日本では、頻度不明の項に記載)
関連情報:TOPICS 2007.10.09 勃起不全治療薬と突発性難聴リスク(米国)
参考:
Viagra ‘could make you deaf’
(Telegraph 2011.05.20)
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/8522746/Viagra-could-make-you-deaf.html
2011年05月20日 16:10 投稿