フェキソフェナジンとジュースの相互作用の話題を追っていたら、Br J Clin Pharmacol 誌で見つけた論文です。日本でも同様の報告が最近専門誌に掲載されているようです。(プラクティス, 28(3) : 242-243, 2011.)
Orange and apple juice greatly reduce the plasma concentrations of the OATP2B1 substrate aliskiren
(Br J Clin Pharmacol. published online: 11 APR 2011)(今のところフリーアクセス)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2125.2010.03898.x/abstract
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2125.2010.03898.x/pdf
この研究は、アリスキレン(ラジレス)がオレンジジュースとアップルジュースに吸収の阻害を受けるかどうかを健康ボランティアで調べた研究で、水と服用した時と比べ、オレンジジュースでは、Cmaxが20%、アップルジュースではCmaxが16%になった他、AUCも37~38%となったとそうです。
これまでの研究と同様、薬物の吸収に関与する有機アニオン輸送担体ペプチド2B1(OATP2B1)の働きを果実ジュース中の何らかの成分が阻害するようです。
研究者らは、アリスキレンをオレンジジュースやアップルジュースで飲むことは避けるべきとしています。
(誤訳があったらご指摘下さい。)
関連論文:
Fruit juice inhibition of uptake transport: a new type of food-drug interaction.
(Br J Clin Pharmacol. 2010 Nov;70(5):645-55.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21039758
(フェキソフェナジンとジュースの相互作用は2~4時間開ければ大丈夫らしい)
関連情報:TOPICS
2008.08.20 フルーツジュースが薬の吸収に影響を及ぼすかもしれない(カナダ研究)
2011年06月08日 01:42 投稿