大学病院と地域薬局が連携して、患者さんの副作用を把握するという取り組みで、注目しました。
山大付属病院と宇部薬剤師会、副作用検出へ連携
(宇部日報2011年6月8日)
http://ubenippo.co.jp/2011/06/post-1993.html
この取り組みは、山口大医学部付属病院の外来患者が地元宇部薬剤師会の保険薬局で調剤を受ける際、重大な副作用がないかどうかを、同大附属病院の薬剤部が作成したチェックシートで確認し、これを同大学にフィードバックするというものです。
副作用のチェックシート(山口大学医学部付属病院薬剤部)
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~yakuzai/fukusayou.html
チェック項目は皮膚・目・尿・手足・お腹・呼吸/胸・血液・全身など、患者さんが自覚他覚できる32項目で、疑いのある重大な副作用との関連性が分かるようにしているのが特徴です。
薬局ではこれに記入したら、ファクスで同病院薬剤部に送信し、同薬剤部では主治医に知らせる他、3カ月ごとに評価し、厚生労働省や製薬会社にフィードバックするそうです。
対象薬は、抗がん剤や新薬などのハイリスク薬が対象で、重い副作用を早期に防ぐのが狙いだとしています。
がん治療の地域連携で同様の取り組みをしているところもあるとは思いますが、ハイリスク薬や新薬まで広げてとなると初めてだと思います。
「これって副作用かな?」と思っても、いざ報告をするのは敷居が高いものです。こういった形で系統的・組織的に行えば、地域薬局でも新たな副作用の発見につながるかもしれません。
2011年06月08日 16:01 投稿
調剤と情報8月号のReportで紹介記事が掲載されています。