特定保健用食品の表示に関するQ&A

 消費者庁は29日、事業者向けの特定保健用食品の表示に関するQ&Aを公表しています。

特定保健用食品の表示に関するQ&A(消費者庁 2011.06.29)
 全文:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin641.pdf
 概要:http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin640.pdf

 Q&Aでは、包装の表示や広告で不適切な事例を紹介しています。

虚偽・誇大表示となる可能性のある事例

  • 「血圧が高めの方へ」という許可表示の食品について、「血圧を下げる」と表示
    (本来期待される効果を超える過大な効果があるかのような誤認を与える)
  • 「食後の中性脂肪の上昇を抑える」という許可表示はの「食後」という文言を削って、「中性脂肪の上昇を抑える」という文言のみを表示
    (中性脂肪に対する機能が継続的にあるものと誤認を与えるおそれがある)
  • 「本品は、コレステロールの吸収を抑える働きがある○○を含んでいるので、コレステロールが気になる方に適した食品です」という許可表示の食品について、単に「コレステロールの吸収を抑える」とだけ表示
    (当該食品自体の機能表示を許可しているものと誤認を与えるおそれがある)
  • 自社従来品より関与成分を○倍増量した特定保健用食品について、その食品自体の機能として、「自社従来品と比べ吸収抑制効果が○倍です。」と表示すること
    (他の食品と比較する場合には、比較の方法によっては、許可を受けた保健の用途を超える効果についても、特定保健用食品として国が許可しているかのような誤認を与えるおそれがある)
  • 「食事とともに一日一本」という摂取方法が定められた食品について、「一日一本をお好きな時間にお飲みください。」と表示
    (許可された内容と異なる摂取方法を表示することは、当該異なる摂取方法についても、特定保健用食品として国が許可しているかのような誤認を与えるおそれがある)
  • 「食事とともに1日1本」という摂取方法が定められた食品について、「食事とともに1日1本。頑固なお通じの方は、朝夕食時に1本ずつお試しいただくとより効果的です。」と表示
  •  定められた摂取方法に加えて、「本品は、国が安全性を確認した特定保健用食品であり、多めに飲んでも支障はありません。」と表示
  •  定められた摂取方法に加えて、「必ず○日間続けて摂取すること。」と表示すること
    (許可された摂取方法に、これと異なる摂取方法を加えることは、当該異なる摂取方法についても、特定保健用食品として国が許可しているかのような誤認を与えるおそれがある)
  • 「おなかの調子を整える」という許可表示の食品について、許可を受けていない「食後の血糖値が高めの方へ」との表示
    (許可を受けていない保健の用途の表示を行うことは、当該表示についても、特定保健用食品として国が許可しているかのような誤認を消費者に与える。なお、この場合において、「この表示は特定保健用食品の許可を受けたものではありません」等の表示をしたとしても、直ちに、消費者の誤認を避けることができると判断できるものではない)
  • TVコマーシャルや新聞広告などで、特定保健用食品と一般食品の両方を含むシリーズ商品を並べて表示
    (許可を受けた保健の用途を強調し、シリーズ商品全体が特定保健用食品であるかのような誤認を消費者に与える)
  • 特定保健用食品の許可を受けていない一般食品について、特定保健用食品として消費者に認知度の高い既存の食品と、商品名やデザイン、含有成分、キャッチコピー等を類似させるなど、当該特定保健用食品の保健の用途を連想させる表示を行う
    (当該一般食品が特定保健用食品の許可を受けたものであるとの誤認を消費者に与える。なお、この場合において、「特定保健用食品ではありません」等の表示をしたとしても、直ちに、消費者の誤認を避けることができると判断できるものではない)

試験結果やグラフを使用する場合には次のような点に留意すること(虚偽・誇大表示となるおそれがある)

  • 出典や試験条件(対象者、人数、摂取方法等)を適切に表示しない
  • 極端なグラフのトリミング(スケール調整等)や、作為的なデータの抽出を行ったもの
  • グラフ内やその周辺に、試験内容と関係のない表示を行ったもの
  • 十分に試験全体の説明が行えないような短時間のTVコマーシャル等の広告における試験結果やグラフの使用
  • 国の統計データに自社で作成したデータを結びつけ、自社データが国の統計データの一部であるかのように表示したもの
  • 複数のヒト試験を実施しており、いくつかのヒト試験においては、一般によく認められる軟便や一過性の下痢・腹痛等の軽微な有害事象が確認されたにも関わらず、そうした事象が認められなかった1試験の結果だけを引用し、「ヒト試験で有害事象は認められませんでした。(引用:○○誌2010年第○号)」と表示した場合

アンケートやモニター調査の結果、個人の感想等を使用する場合には次のような点に留意すること(虚偽・誇大表示となるおそれがある)

  • アンケートやモニター調査の調査条件(質問内容、対象者、人数等)を適切に表示しないもの
  • 特定の疾病を示し、予防・治癒効果があるような内容を記載したもの
  • 医療関係者、大学教授など権威のある者による感想文や推薦文で、効果を保証するような内容を記載したもの
    ※上記のような虚偽・誇大表示のおそれがある場合には、「あくまでも個人の感想です」等の表示をしたとしても、直ちに、消費者の誤認を避けることができると判断できるものではない

 テレビショッピングや新聞、雑誌の広告など該当するものがいっぱいありそうですね。 消費者庁ができる前は、こういったことはほとんど野放し状態だったけど、今後実際に誰が指導や取り締まりを行うのでしょう?

 特定保健用食品を販売する事業者であっても、独自にTVコマーシャルや新聞、WEB広告などでその内容に虚偽・誇大表示があれば、当該販売事業者が健康増進法上の違反を問われるとのことなので、私たちも留意しておくことが必要でしょう。(店頭での商品展開や陳列もこれに該当するのかなあ? 一応対象にはなっていないようだけど)

資料:特定保健用食品(トクホ)  許可制(健康増進法第26条)(消費者庁)
    http://www.caa.go.jp/foods/index4.html#m02


2011年06月30日 00:45 投稿

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