薬学雑誌の電子版(http://denshi.pharm.or.jp/home/pubpharm/pubpharm.asp?JID=YAKUSHI)に13日、地域薬局の薬剤師の疑義照会の意識についての論文が掲載されています。(現在は正式版に掲載)
薬局薬剤師における薬学的疑義照会の意識調査
(薬学雑誌 131(10) 1509-1518 Pulishse online first 2011/07/13)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/131/10/131_10_1509/_article/-char/ja/
薬剤師は、必要に応じて処方せんの記載内容に関して医師への疑義照会を行いますが、慣例やエビデンスに基づいた処方(用法)で、「処方通りでよいです」との回答が想定されているケースであっても、保険調剤を行う保険薬剤師には(保険承認に従った用法などの)疑義照会が求められることは皆さんもご存知のとおりです。
この研究では、「プリンペラン錠の食後投与」「アダラートCR錠の1日2回投与」「テオドール錠の1日2回朝夕食後投与」や、「12週超のキネダック錠投与の効果確認」など18の具体的事例について、「必要である」「どちらともいえない」「必要ない」の三者択一で疑義照会の必要性とその理由について尋ねた他、疑義照会時にどのような参考資料を用いているかについて尋ねています。
調査は協力の得られた全国8地区165薬局を対象に行われています(回答112薬局、回収率67.9%)が、内容・地域によって疑義照会の必要性に認識の違いが見られるなど、結果は興味深いものとなっています。
研究者らは、薬局薬剤師が保険診療上の適応の問題点だけを理由として医師に疑義照会してよいのか判断に迷い、躊躇しているという現状を指摘する一方、その必要性の判断について妥当な情報の収集・評価が不十分だとして、情報を批判的に吟味した上で疑義照会の必要性を判断したという根拠を示していくことが求められるとしています。(正式版は10月号に掲載)
2011年07月13日 14:47 投稿