これまでも紹介した今後発売が予定されているスイッチOTC医薬品ですが、承認が了承されたものの、まだ発売されていない品目がいくつかあります。
すでにPMDAに審査情報が掲載されているので、リンクを張っておきました。
●アンチスタックス(赤ブドウ葉乾燥エキス混合物)
フランス薬局方にも収載されている、実が黒く果肉の赤い Vitis vinifera L.の乾燥葉が起源。ドイツでは軽度の下肢静脈不全症患者を対象とした臨床試験で有効性が確認されている。
日本でも下肢の静脈還流障害によるむくみを持つ患者を対象に臨床試験が行われ、有効性が確認されている。
効能・効果は、「軽度の静脈還流障害による、足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ、重さ、疲れ、つっぱり感、痛みの改善。」で、 これは臨床試験で評価された項目及び海外の同一製剤の効能・効果を反映させ、一般生活者に対しわかりやすい表現内容とした。
毎日の生活での注意点なども記した薬局・販売店向け解説書に加え、患者向医薬品ガイドに準じた「使用者向け服薬指導書」が作成される。(これが販売を遅らせている?)
●エルペインコーワ、リフィットコーワ(イブプロフェン+ブチルスコポラミン臭化物)
海外では、アセトアミノフェン+ブチルスコポラミンが配合された生理痛の効能効果を取得している製剤が販売されており、医療機関における生理痛の治療にも子宮の過剰収縮を緩和する鎮痙剤が併用されることもあることから開発されたもの。
効能効果は、「生理痛(主に、軟便に伴う下腹部の痛みがある場合)」となっていて、腸の収縮も一因となっている生理痛に対して特に効果が期待できる。(便秘気味の方にはかえって逆効果かも)
●ストナリニ・カット、ストナリニ・ガード、ニポラジンAG鼻炎錠(メキタジン)
一般用医薬品としてこれまで1日量4mgというものが販売されているが、1日量6mgの方が1日量4mgと比べて効果発現までの時間が短い傾向があることから開発。
新たな臨床試験を行わず、ニポラジン錠の臨床試験結果を利用して一般用医薬品として申請。ニポラジン錠の効能を読み替えたものになっているが、使用者の自己判断が比較的容易であることを理由に効能は「花粉,ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くし
ゃみ,鼻水(鼻汁過多),鼻づまり」(アレルギー性鼻炎)に限定された。(湿疹・じんましんの効能を入れてもおかしくないのに)
●エスタック鼻炎24、エスタック鼻炎錠24(エピナスチン塩酸塩)
眠気の副作用が少なく、1日1回の服用で、花粉症患者のQOLの改善が期待できるとして開発。
効能・効果は、「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」。用法が「就寝前」となっているのは、一般の使用者が服用時期が明確である方がコンプライアンスの向上並びに誤用の低減が期待されるため。(承認了承からかなり時間が経っているのにまだ未発売。今シーズンなぜ発売されなかったのでしょう?)
●アイフリーコーワAL 、アルギアイコーワ(アシタザノラスト水和物)
こちらも今シーズンの発売には間に合わなかったようです。7歳未満は使用できません(ザジテンは1未満不可。エージーアイズは規定なし)が、「花粉など季節性のアレルギーによる症状に使用する場合は、花粉飛散期に入って症状が出始めたら、症状の軽い早めの時期からの使用が効果的です。」との文言が加わるようです。
2011年07月16日 13:34 投稿
9月16日、佐藤製薬は『ストナリニ・ガード』を9月26日(月)に発売を開始すると発表しています。
アレルギー性鼻炎専用内服薬『ストナリニ・ガード』(第1類医薬品)新発売
(佐藤製薬 2011.09.16)
http://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2011/110916.html
10月19日、エスエス製薬は10月25日から「アレジオン10」の商品名で販売を開始すると発表しています。
日本初!
医療用成分(エピナスチン塩酸塩)をOTC医薬品に初めてスイッチ
眠くなりにくく、服用は1日1回1錠
アレルギー専用鼻炎薬「アレジオン10」新発売
(エスエス製薬ニュースリリース 2011年10月19日)
http://www.ssp.co.jp/nr/2011/20111019.html
小売希望価格は、6錠/1,280円 12錠/1,980円なので、ザジテンAL、スカイナーALと比べて割安かも。
それにしても承認がロキソニンと同じ時なので、承認了承から販売まで何と2年もかかりましたね。WHY?
12月1日、興和株式会社は、生理のしくみから考えた日本初の“生理痛専用薬”「エルペインコーワ」(第1類医薬品)を7日に新発売すると発表しています。
“生理のしくみ”から考えた日本初!生理痛専用薬
エルペインコーワ 平成23年12月7日 新登場
(興和株式会社プレスリリース12月1日)
http://www.kowa.co.jp/news/2011/press111201.pdf
1錠中イブプロフェンが150mg、ブチルスコポラミン臭化物10mg(ブスコパンと同用量)が配合されていて、1回1錠、1日3回までとなっています。
小売希望価格は12錠 税込1,029円です。
セルフメディケーション学会で、アンチスタックスに関するポスター発表があったので、発売の目途を尋ねました。
すると、効能効果にある「静脈還流障害」という概念の取扱いを巡って、患者向けの情報はもちろんのこと、メーカー担当者から販売店にどのように説明するかで、なかなか調整がつかず、本年中の販売は無理のように思われました。
海外では、既に広く販売されているようなのですが。
■第25回■ アンチスタックス(薬剤師調査MMPR)
http://yakuzaishi-di.net/column_detail/id=176
ようやく、アイフリーコーワALのブランド名で、11月1日から発売されるそうです。
アレルギー専用点眼薬「アイフリーコーワAL」 新発売
(興和株式会社プレスリリース 10月29日)
http://www.kowa.co.jp/news/2012/press12102901.pdf
7歳未満の乳児には使用できませんので留意が必要です。
ブランドサイト
http://hc.kowa.co.jp/eyefree/
添付文書
http://hc.kowa.co.jp/img/product/pdf/340.pdf