緊急安全性情報等の提供に関する指針が通知

 TOPICS 2011.03.31で紹介した「緊急安全性情報等の提供に関する指針」ですが、案がまとまり、すでに各都道府県に通知が行われています。(パブコメ結果は、確かまだだったけど)

緊急安全性情報等の提供に関する指針について
(平成23年7月15日薬食安発0715第1号)(PDF,347KB)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110720I0020.pdf

 パブコメで示された案とあまり違いがないようですが、補足の意味で、Q&Aが出されています。

緊急安全性情報等の提供に関する指針に関する質疑応答集(Q&A)について
(平成23年7月15日事務連絡)(PDF,147KB)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110720I0030.pdf

  緊急安全性情報や安全性速報(ブルーレター)が今後発出されるときは、下記を念頭に入れておくとよいでしょう。

Q1 安全性速報(ブルーレター)でも「使用形態を踏まえて必要に応じ国民(患者)向け情報もあわせて作成する。」とあるが、その様式は定められているか。

A1 安全性速報(ブルーレター)で国民(患者)向け情報もあわせて作成する場合、事前にPMDA安全部門(以下「PMDA」という。)と協議すること。様式は別紙2のイエローレターの国民(患者)向け情報を参考にすることで差し支えない。使用形態を踏まえて必要に応じ、記載情報並びに形態等を考慮して作成すること。

Q2 「医薬食品局安全対策課は、緊急安全性情報の作成及び配布について、製造販売業者に対し、命令、指示を行う場合は、その理由等を明記した書面により通知する。」とあるが、緊急安全性情報が製造販売業者の自主的な決定の場合には発出されないのか。

A2 製造販売業者の自主的な決定に基づき、緊急安全性情報が発出される場合については、安全対策課は、必要があれば当該製造販売業者あてに通知を発出することもある。

Q3 「新聞の社告等の媒体への情報の掲載を考慮する。」とあるが、具体的に掲載する内容はどのようなものか。

A3 社告記事を掲載する場合には、掲載内容については、情報提供すべき内容に応じて、患者等に対して必要な情報が適切に伝わるような内容を検討する必要がある。個別の事案に応じて協議されたい。なお、医療機器等の回収事例も参考になるものと考える。記事のサイズ、掲載する新聞の数については、掲載する内容を考慮し、企業が判断すること。

Q4 「また、当該製品の納入が確認されている医療機関の適切な部署(医療安全管理者、医薬品安全管理責任者、医療機器安全管理責任者、又は医療機関の製品情報担当者等)、薬局等に1ヶ月以内に情報が到着していることを確認すること。」とあるが、情報が到着していることはどのように確認するのか。

A4 訪問記録、ダイレクトメール送付記録、電子メール、ファックスの送信記録等を利用し、情報が到着していることを確認すること。

Q5 医学、薬学等の関係団体または当該製品を使用する患者団体に対する情報伝達に関して、対象となる団体の選定及び情報提供依頼についてはどのように行うべきか。

A5 対象となる団体の選定(安全性速報の場合は実施の必要性の判断を含む)については、PMDAとの配布計画の事前協議の中で行い、安全対策課及びPMDAと、各団体への情報提供及び伝達を誰が行うのか事前協議の中で相談すること。
関係団体への情報提供において、関係する製品の製造販売業者が複数ある場合には、代表して情報提供を行う製造販売会社を当局との相談において定めることが望ましい。

Q6 「改訂添付文書情報等」、「改訂内容を明らかにした文書」とは具体的に何を指しているのか。

A6 「改訂添付文書情報等」とは、改訂添付文書情報の電子ファイル(PDFファイル、SGMLファイル等)を指す。
また、「改訂内容を明らかにした文書」とは、改訂内容のお知らせ文書や日本製薬団体連合会の発行する「医薬品安全対策情報(DSU)」を指す。

Q7 緊急安全性情報の記載例において、死亡例の報告例数、推定使用患者数を記載しているが、後発医薬品が存在する場合には、後発医薬品での死亡例報告数や推定使用患者数も含めるのか。

A7 後発医薬品がある場合は、関係する製造販売各社等で情報を共有し、緊急安全性情報の作成時に統合することが望ましい。

Q8 緊急安全性情報あるいは安全性速報の配布報告書の提出期限は、製造販売業者が厚労省、PMDAと相談して決めることと理解してよいか。

A8 配布(等)計画書については、通知日又は製造販売業者が自主的に配布を行うと決定した日からおおむね2週間程度を想定している。また、配布(等)完了報告書については、情報が到達する期限からおおむね1~2週間程度を想定している。いずれについても、当局との協議において相談されたい。

Q9 別紙様式2「緊急安全性情報配布(等)報告書」及び別紙様式4「安全性速報配布報告書」に記載のある「PMDAの情報配信サービスによる配信日」は、どの日を指すのか。

A9 PMDAによる医薬品医療機器情報配信サービス(「PMDAメディナビ」)のメール本文中の配信日とする。

Q10 複数の製造販売業者が存在する医薬品の場合、緊急安全性情報に関して製造販売業者が実施すべき事項のうち、報道発表について、どのように対応すべきか。

A10 原則として、報道発表内容の安全対策課及びPMDAとの調整は、安全対策課及びPMDAと協議して定めた代表する製造販売会社が行うこととする。
調整した内容の伝達は当該代表する製造販売業者が行うが、決定した内容に関する行政からの指示等の連絡は、安全対策課またはPMDAが行う。

関連情報:TOPICS 2011.03.31 緊急安全性情報等の提供に関する指針(案)


2011年07月20日 16:52 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    26日発出の「医薬品・医療機器等安全性情報284号」で今後の情報の提供方法の説明があります。

    2.「緊急安全性情報等の提供に関する指針」について
    (医薬品・医療機器等安全性情報284号)
    http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/284-2.pdf

    「緊急安全性情報」「安全性速報」の作成の基準については、

    ・薬事法第77条の4の2に基づく副作用・不具合等の報告における死亡,障害若しくはこれらにつながるおそれのある症例又は治療の困難な症例の発生状況
    ・未知重篤な副作用・不具合等の発現など安全性上の問題が有効性に比して顕著である等の新たな知見
    ・ 外国における緊急かつ重大な安全性に関する行政措置の実施
    ・ 緊急安全性情報又は安全性速報等による対策によってもなお効果が十分でないと評価された安全性上の問題

    といった状況を勘案して措置が必要と判断され、下記のような事項について、より迅速な医療現場への情報提供が必要となった場合だそうです。(状況の緊急性に応じて,「緊急安全性情報」(イエローレター)又は,「安全性速報」(ブルーレター)が発出)

    ・ 警告欄の新設又は警告事項の追加
    ・ 禁忌事項若しくは禁忌・禁止事項の新設又は追加
    ・ 新たな安全対策の実施(検査の実施等)を伴う使用上の注意の改訂
    ・ 安全性上の理由による効能効果,用法用量,使用方法の変更
    ・ 安全性上の理由により,回収を伴った行政措置(販売中止,販売停止,承認取消し)
    ・ その他,当該副作用の発現防止,早期発見等のための具体的な対策

    また、「緊急安全性情報」については、その重大性と緊急性を鑑みて、製造販売業者と行政当局がそれぞれ配布開始後速やかに報道発表を行い、製品の回収等を伴う場合であって国民が直接の対応を行う必要がある場合には,製造販売業者が新聞の社告等が掲載されるそうです。