秋田大の研究チームがアルコールの摂取が睡眠の回復機能(restorative functions of sleep)に影響を及ぼすなどとした研究結果を発表しています。
Alcohol Has a Dose-Related Effect on Parasympathetic Nerve Activity During Sleep
(Alcoholism: Clinical & Experimental Research first published online:16 AUG 2011)
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1530-0277.2011.01558.x/abstract
Alcohol interferes with the restorative functions of sleep
(Eurek Aleret! 2011.08.16)
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-08/ace-aiw080811.php
この研究は、健康な大学生10人に対し、アルコール量として“1g”、“0.5g”、“なし”の飲料を睡眠100分前に飲んでもらい(3週間ごと実施)、ホルター心電図の24時間のデータ、8時間後の睡眠ポリグラフ計(polysomnography)のデータや、心拍変動性(HRV:heart rate variabilit)を動力分光分析を解析したものです。
詳しい結果はリンク先を参考して頂きたいのですが、簡単に言うと、アルコールの摂取は自律神経システムに対して用量依存的に影響(副交感神経を抑制し、交感神経が優位に)を及ぼし、不眠症を招くということのようです。
ちょっとの寝酒はプラスの面もあるようですが、お酒を飲みすぎると朝早く目が覚めることがあるというのはどうもこういう理由のようです。
研究者らはまた、副交感神経が抑制されることに特に着目し、アルコールを日常的に大量に摂取する人ではかえって不眠を招いたり、高血圧などさまざまな病気の誘因となるのではないかと指摘しています。
参考:
More Evidence That Alcohol Hinders Good Sleep
(Health DAY 2011.08.15)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=655759
Alcohol hurts restorative sleep
(CBC.Ca 2011.08.16)
http://www.cbc.ca/news/health/story/2011/08/16/alcohol-sleep.html
2011年08月17日 10:52 投稿
NHS Choices で解説記事が出ていて、研究の詳細が分かりやすく説明されています。
Alcohol studied for its effect on sleep
(NHS Choices 2011.08.17)
http://www.nhs.uk/news/2011/08August/Pages/alcohol-studied-for-effect-on-sleep.aspx
・HRVは睡眠中の自律神経系の活動が評価できる
・食事は睡眠の3時間40分前に摂取
・筋肉の動き、呼吸、体位、いびきなども評価して、睡眠の深さと質も調べた
対象が10人であり、さらなる研究が必要としています。