18日、薬食審の一般用医薬品部会が開催され、ペミロラストカリウムを配合した、「アレギサール鼻炎」など3品目の承認の可否が審議され、承認が了承されています。
一般用医薬品部会 審議(報告)品目一覧
(2011年8月18日開催、日刊薬業WEB)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/related/html/1226510949391.html
上記の通り、目新しい成分ではありませんが、アレギサールは第一類扱いでしょうが、イブプロフェン1日600mg製剤は指定第二類なのかそれとも第一類なのかどちらでしょうかね?
なおCBニュースによれば、スイッチ候補10成分についての関係学会の意見(TOPICS 2011.08.15)については、今回の部会では取り上げられなかったようです。
参考:
医療介護CBニュース8月18日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35304.html
日刊薬業WEBフリーサイト8月18日
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226561984368.html?pageKind=outline
2011年08月19日 11:02 投稿
イブプロフェン200mgの製品は佐藤製薬のリングル200がすでにでていますが、
リングル200は1日2回の使用なので、1日600mgの製品との統合性はどうなるんでしょうね?
そうですよね。
リングルアイビー200(PMDA一般用医薬品添付文書情報)
http://www.info.pmda.go.jp/ogo/J1101000259_01_01
1回200mgを空腹時をさけて服用。2回を限度。
服用間隔は6時間以上。
これに対して、(仮称)「ナロンホワイト600」は、
1回2錠(200mg)。通常1日2回までとするが、再度症状があらわれた場合には3回目服用できる。服用間隔は4時間以上おくこと。
1回服用量は全く同じなのですから、認可の違いがあるにせよ、何かすっきりしませんね。
イブプロフェン単剤は「第二類」(指定第二類ではありませんでした。すみません)ですが、メキタジン(TOPICS 2011.02.25)のように、もしこの1日600mg製剤が第一類となったら、現場は混乱しますよね。
ナロンホワイトとパブロンアレスト点鼻は共に第一類だそうです。
【薬食品審一般用医薬品部会】新抗アレルギー成分が登場‐スイッチOTC3成分を了承
(薬事日報 HEADLINE NEWS 8月22日)
http://www.yakuji.co.jp/entry24049.html
パプロンアレスト点鼻の情報提供は必要と思いますが、ケトチフェンは第二類に引き下げになっていますし、ナファゾリン配合のエージーノーズなども第二類ということを考えると、やはりすっきりしませんね。
ちょっと専門的になりますが、一般用医薬品の承認申請区分は以下のとおりです(8区分)。
(1)新有効成分含有医薬品(いわゆるダイレクトOTC)
(2)新投与経路医薬品
(3)-①新効能医薬品
(3)-②新剤型医薬品
(3)-③新用量医薬品
(4)新一般用有効成分含有医薬品(いわゆるスイッチOTC)
(5)-①新一般用投与経路医薬品
(5)-②新一般用効能医薬品
(5)-③新一般用剤型医薬品
(5)-④新一般用用量医薬品
(6)新一般用配合剤
(7)-①類似処方一般用配合剤
(7)-②類似剤型一般用医薬品
(8)その他の一般用医薬品(基準内)
ナロンホワイト600は、(5)-④、パブロンアレスト点鼻は、(6)だと思われます。
なお、(1)~(5)-④は、もれなく製造販売後調査(通称PMS)が課され、(6)又は(7)-①は成分の組合せで作用が増強するものについては、製造販売後調査が課されることがある、とされています。
ちなみに、製造販売後調査については昭和63年12月26日付(何と約23年前!)、薬安第154号、「新一般用医薬品の市販後調査の実施の自主基準について」に、原則承認後3年間の市販後調査(現在の製造販売後調査)を実施すること(原則、内服薬は3000例の使用者アンケート、外用薬は1000例の使用者アンケートを集める副作用頻度調査及び一般調査(自発報告)を行う。)とあります。GVP(2005年4月施行)が出来て6年経った現在も頑なに、これを遵守しているようです。
イブプロフェンは、これまでは、1日量450mgまで(150mg×3回、200mg×2回、他)は「第2類医薬品」に分類され、一方ナロンホワイト600は、通常1日400mg(200mg×2回)、最大600mg(200mg×3回)で「第1類医薬品」(要薬剤師薬?)となります。少々薬に詳しい人は、200mg×2回の製品(第2類医薬品)をコンビニで買って、効かなかったら、3回までのめることになりますね(表面上は不適正使用ですが、、、)。こんな混乱が起こらないように、ナロンホワイト600も製造販売後調査を1年間にして(早く第2類医薬品に落とし)使用者の利便性を高めるようにしてはいかがでしょうか?(1日量を450mgから600mgに上げても、そんなに安全性に問題が起こるとは思えません。日薬はいつものように反対するでしょうが、、、
勉強不足で申し訳ありません。
たいへんわかりやすい解説ありがとうございます。
議事録が掲載されました
2011年8月18日 薬事・食品衛生審議会 一般用医薬品部会議事録
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001s27z.html
イブプロフェン製剤に「600」と名前がつくことに異議が出されています。
○事務局
宗林委員により事前に御質問をいただいていますので御紹介させていただきます。「銘柄名に『600』と数字が含まれていますが、これまでにこのように銘柄名に数字を含んだケースがありましたでしょうか。」、「イブプロフェン1錠当たりの含有量は医療用でもOTCでも同様な製品が存在しているかと思います。消費者は、銘柄名には特に目がいき、イブプロフェンを大量に服用できる、また、特によく効くとの印象を持つ可能性があり、誤飲を招きかねないかと思います。強調表示のようにも受け取れます。何か数字を付ける必然性があるのでしょうか」。
宗林委員より2点御質問をいただいていますので事務局より回答させていただきます。
数字については、当方で調べた限り、解熱鎮痛薬で商品名に今回のように1日最大の使用量が入っている品目は見当たりませんでした。
数字を付ける必然性については、申請者側に照会をしましたので、その設定理由を紹介させていただきます。申請者は、従来品とは用法・用量が異なることを消費者及び薬剤師に注意喚起する目的で「600」を付したとしており、購入時に薬剤師からの説明及び服用者向け情報提供資料により、誤解を生じることはないという説明を受けています。事前に御質問いただいたことについて、御報告させていただきます。
○宗林委員
初めてという御回答でしたが、これから先、いろいろな数字が出てくることも含めて、銘柄名に1錠当たりではなく最大服用量を記載して、特にという必要性は逆に誤飲を招きかねないので、ないほうがいいのではないかと今でも思っています。
ほかの製剤でも1錠当たり100mg、150mgというものもあるわけで、1日服用量でも400mgや450mgというものもイブプロフェンについてはOTCで存在していると思います。
この製品も基本的には400mgで、症状が改善されなかったときに追加してもいいという書き方になっていますので、特別な場合には600まで飲むことがあることは分かりますが、家庭の中に入ったときのことも考えますとほかのものと比べて、1錠当たりのイブプロフェンの量も変わらないので、かえってこの数値があることは適当ではないと思っています。
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連用への注意喚起の記載が必要だとか、妊娠後期は禁忌とはっきり書くべきなどさまざまな意見が出ていますが、1回200mg製剤は既に販売されているわけですし、そこまでいうのなら、既存のイブプロフェン製剤の大包装の規制をしたらと思いますね。(きっと発売されるまで、また時間がかかるんだろうな。それでも大正製薬さんは発売するのでしょうが?!)
田辺三菱製薬は1月6日、14日からアレルギー性鼻炎用内服薬「アレギサール鼻炎」を発売を開始すると発表しています。
OTC医薬品(第1類医薬品)/アレルギー性鼻炎用内服薬
「アレギサール® 鼻炎」 新発売のお知らせ
(田辺三菱製薬 2012年1月6日発表)
http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2012/MTPC120106.html
花粉飛散開始の1~2週間前を目安に服用を開始することを前提として、15日分30錠(税込2,520円)だけの発売だそうです。
ブランドサイトもすでにアップされていますが、販売者向けのページは今のところないようです。
アレギサール鼻炎
http://www.alegysal.jp/
関連ブログです。
症状が出る前に飲むOTC医薬品と薬事法の解釈
(医薬品・化粧品・食品に関する情報提供 1月7日)
http://yakuji.exblog.jp/15233606/