薬害オン会議、アクトス等の販売中止を求める意見書を提出

 民間の医薬品監視機関の薬害オンブズパースン会議(http://www.yakugai.gr.jp/)は29日、厚生労働大臣や武田薬品工業などに対し、糖尿病治療薬ピオグリタゾン塩酸塩製剤(商品名アクトス錠他)の販売中止と回収を求める要望書を提出しています。

アクトス等(塩酸ピオグリタゾン塩酸塩製剤)について、販売中止を求める意見書を提出しました
(薬害オンブズパースン会議 2011年9月29日)
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=788

糖尿病治療薬ピオグリタゾン塩酸塩製剤(アクトス他)の販売中止と回収を求める再要望書
(薬害オンブズパースン会議 2011年9月29日)
http://www.yakugai.gr.jp/topics/file/akutosu_2nd_req_2011_09_29.pdf

 上記要望書のタイトルにあるように、同会議では今から11年前の2000年10月にも販売中止を求める要望書を提出しており、意見書の提出は2回目となります。

 同会議では、ピオグリタゾンは危険性を上回る有効性がなく、また合併症の減少効果は証明できていないと指摘、その一方で、アクトスには、重大な心毒性リスク、膀胱がんリスク等があるとして、改めて販売の中止を求めたとしています。

 また、本問題を討議した厚生労働省の薬事食品衛生審議会医薬品等安全対策調査会における審議は、利益相反の管理という点からも問題があると指摘するとともに、PMDAがまとめた調査報告書についても公正さを外部から客観的に判断できないとして、その内容に疑問を投げかけています。

関連情報:TOPICS
 2011.09.14 ピオグリタゾンの限定使用を推奨(糖尿病標準診療マニュアル)
 2011.08.03 ピオグリタゾン製剤(アクトス)の調査結果報告書(PMDA)
 2011.07.22 EMA、ピオグリタゾンはベネフィットがリスクを上回る
 2011.07.07 ピオグリタゾン製剤は中止を(npojip)
 2011.06.23 アクトス問題、国内でも膀胱がんリスクの対応へ(Update)
 2010.06.10 仏当局、ピオグリタゾン製剤の一時使用停止を発表
 2011.04.30  ピオグリタゾンの膀胱がんリスクへの懸念(フランス)
 2010.09.18 ピオグリタゾンと膀胱がんの発症リスク(米FDA)
 2010.06.22 TZD・グリニド系は保険償還から除外すべき(ドイツ)


2011年09月30日 14:14 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    同会議は、武田社から11月17日付けで、回答書が届いていることを明らかにしています。

    アクトス等(塩酸ピオグリタゾン塩酸塩製剤)について、販売中止を求める意見書を提出しました
    (薬害オンブズパースン会議 2011年9月29日)
    http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=788

    一方、米国ではアクトスで膀胱がんになったとして訴訟の依頼が殺到しているそうです。

    Takeda May Face 10,000 U.S. Suits Over Actos Cancer Claims
    (Bloomberg 2011.12.01)
    http://www.bloomberg.com/news/2011-12-01/takeda-may-face-10-000-u-s-suits-over-actos-cancer-claims.html

    武田薬、1万件の訴訟に直面も-「アクトス」のぼうこうがんリスクで
    (上記日本語記事)
    http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVI6W01A1I4H01.html