欧州医薬品庁もARBに発がんリスクはないと結論

 この間、さまざまな意見が出されているとARBの発がんリスクですが、欧州医薬品庁(EMA)のヒト医薬品委員会(CHMP)は20日、レビューの結果、関連性はないとした結論に至ったことを発表しています。

European Medicines Agency concludes that benefit-risk balance of angiotensin II receptor antagonists remains positive
(EMA Press Release 2011.10.20)

 今回のレビューは、発がんリスクが高まるとしたLancet Oncol. 誌掲載の論文(TOPICS 2010.06.14)などを受け、イタリア医薬品庁の要請で行われていたものですが、レビューの結果、メタアナリシスによるエビデンスが弱い点、データの質にいくつか問題点があるなどとして、今回の結論となったようです。

Angiotensin-receptor blockade and risk of cancer: meta-analysis of randomised controlled trials.
Lancet Oncol. 2010 Jul;11(7):627-36.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20542468

 ARBとがんリスクは無関係としたレビュー結果については、今年6月に米FDAでも発表(TOPICS 2011.06.03)されています。EMAのレビューも発表されたことで、この問題はこれで一応の決着となるのでしょうか。

 なお詳しい資料は、英国時間21日12時にウェブサイトに掲載されるとのことです。

European Medicines Agency concludes that benefit-risk balance of angiotensin II receptor antagonists remains positive
(EMA Patient Safty)

関連情報:TOPICS
 2010.06.14 ARBと発がんリスク
 2011.06.03 ARBに発がんリスクは認められない(米FDA)


2011年10月21日 10:53 投稿

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