後発医薬品の使用促進に必要な環境整備(中医協論点)

 9日開催の中医協では、後発医薬品の使用促進のための環境整備などについてが論点となっています。

第204回中央社会保険医療協議会総会(2011年11月9日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tylo.html

資料(総-3)後発医薬品の使用促進のための環境整備について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001tylo-att/2r9852000001tyq3.pdf

 上記資料によれば、下記のような課題と論点が示され、さらなる処方せん様式の変更や、一般名処方についての是非についても取り上げられています。(議論の様子が報道され次第、記事更新予定)

現状と課題 論点
 検証部会の調査結果では、平成23年の後発医薬品調剤率(数量ベース)は平成22年と比較してわずかではあるが増加しているとともに、個々の保険薬局においても、調剤率が高い方に移行してきている。
 その一方、約半数の保険薬局は依然として本加算を算定しておらず、保険薬局の対応は二極化している。
保険薬局のさらなる取組を促すため、未だ「後発医薬品調剤体制加算1」も算定出来ていない薬局に対するインセンティブを維持しつつ、全体の数量をさらに引き上げるためのインセンティブとなる
よう、算定要件を含めた加算の在り方について、どのように考えるか。調剤数量算定にあたってのインセンティブを合理的に確保する観点から、診療報酬上の後発品の扱い、あるいはその他薬剤の算定上の扱いをどのように考えるか。
 ジェネリック医薬品軽減額通知には一定の効果がみられているものの、実際に受け取っている患者はまだ少ない。
 患者が後発医薬品に切り換えようと思ったきっかけの中には、薬剤師からの説明や後発医薬品に関する宣伝等の割合が高い。
 一方で、薬局で後発医薬品への変更を希望していながら、「後発医薬品がない薬であること」や「既に後発医薬品が処方されていること」を知らない患者がいる。
後発医薬品に関する情報提供(価格情報を含む)
を充実させる手段として、保険薬局での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用することをどのように考えるか。
 検証部会の調査結果では、医療機関における「後発医薬品試用体制加算(入院初日・30点)を算定している病院は平成23年度においても、依然として少ない状況。
 また、検証部会の調査結果では、病院における入院患者への後発医薬品の使用を進める要件及び医師の使用を進める要件として、「処方する際の診療報酬上の評価」を求める声があった。
医療機関におけるさらなる取組をすすめるため、保険薬局における後発医薬品調剤体制加算を視野に入れつつ、どのような対応策が考えられるか。
 検証部会の調査結果では後発医薬品への変更を進めるための要件として、「一般名処方が普及すること」「一般名処方を行いやすくする環境の整備」などの声があった。
 また、後発医薬品の使用を進める上で医師に望むこととして、「患者が希望する場合、処方せんに変更不可の署名をしないこと」、「一般名処方とすること」との回答が多かった。
保険薬局における医薬品(特に後発医薬品)の在庫
管理の負担を軽減するため、

①医師が一般名処方を行うこと、

諸外国の様式を参考にしつつ、
②個々の医薬品について、変更の可否を明示する(個別の変更不可欄を設ける等)様式に変更すること

について、どのように考えるか。


2011年11月09日 13:03 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    医療介護CBニュースとm3.com の医療維新で記事が配信されています。

    医療介護CBニュース11月9日
    http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35928.html

    m3.com 医療維新11月9日(要会員登録)
    http://www.m3.com/iryoIshin/article/144244/

    後発医薬品調剤体制加算Iが廃止になるとの噂もありましたが、今日の時点ではそういう方向にはならなかったようです。

  2. アポネット 小嶋

    各紙報道を総合すると、下記のような方向で検討が進むようです。

    ・後発医薬品調剤体制加算1(20%)は廃止にはならない可能性が高い(引き下げはあるかも)
    ・一方で、30%超を引き上げ評価を引き上げるなどして変更率をさらに高める仕組みをつくる
    ・一般名処方を推進するため、一般名処方をした場合には加算をつける
    ・処方せんの後発品変更不可は個別医薬品ごとに指定する様式に改める
    ・差額通知を薬局で行う(これについては別記事をたてます)