調剤報酬改定の見通し(中医協論点)

 30日開催の中医協では、いよいよ来春の調剤報酬改定に関する具体的な提案が行われています。

第204回中央社会保険医療協議会総会(2011年11月30日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wj9o.html

資料(総-6)調剤報酬について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wj9o-att/2r9852000001wkd7.pdf

 上記資料によれば、下記のような課題と論点と対応案が示されていて、乳児への薬学的管理への評価や施設基準の見直し、調剤基本料の一元化(一応現状維持を確認。よって下記表では取り上げませんでした)などが議論の遡上にのぼっています。(議論の様子が報道され次第、記事更新またはコメント予定)

課題・論点 対応案
後発医薬品の使用促進 後発医薬品調剤体制加算の見直し
薬剤情報提供文書を活用した後発医薬品に関する情報提供
(→前記事参照)
在宅薬剤管理指導業務の推進

在宅医療へ対応可能な薬局に関する情報については、医療機関等が容易に把握できるように周知してはどうか。
在宅で使用される医療材料・衛生材料の供給に、薬局が積極的に関与するよう改善してはどうか。
これらのことも含め、在宅業務に十分に対応するためには、相応の体制整備が必要となる。

在宅業務に十分に対応している薬局に対しては、一定以上の過去の実績も考慮した施設基準を別途設け、診療報酬上評価してはどうか。

在宅業務実施薬局に対する施設基準を別途設けることに合わせ、基準調剤加算の施設基準の見直しも行ってはどうか。(下記↓)

施設基準の見直し

在宅業務実施薬局に対する施設基準を別途設けることに合わせ、基準調剤加算の施設基準の見直しも行ってはどうか。

基準調剤加算の施設基準における備蓄医薬品数については、実態等も踏まえその品目数の要件を見直すこととしてはどうか。

地域医療との連携を評価するとの観点から、明らかに特定の保険医療機関の開業時間等に応じた開局時間を設定している薬局については、基準調剤加算を算定できないこととしてはどうか。

小規模薬局間連携の評価

小規模薬局であっても、近隣の薬局と連携することにより、在宅医療へ参画することが可能となる。
現状では、在宅患者訪問薬剤管理指導料については、他の薬局の薬剤師等が既に行っている場合には算定できないことから、薬局間の連携が進まず小規模薬局の在宅医療への参画が進んでいない。

他の薬局の薬剤師等が訪問薬剤管理指導を既に行っている場合であっても、あらかじめ薬局間で連携している場合に臨時的に行った在宅訪問についても算定可能としてはどうか
薬剤服用歴管理指導料と薬剤情報提供料のあり方 お薬手帳を通じて薬剤情報を共有することを普及させるためには、薬歴と薬剤情報提供が一体となった管理指導が不可欠でありこれに応じた報酬上の評価が必要ではないか。
(高齢者? 具体的には、手帳の記載内容の充実? 手帳の義務化?)
ハイリスク薬に関する薬学的管理及び指導の充実

ハイリスク薬について確認すべき項目が困難、算定要件が不明確といった理由から、算定していないケースも多い。
医療機関では、入院患者に対して薬学的管理指導を行っているが、薬局においては、その対象が外来患者であるため、応需した処方せんに2種類以上のハイリスク薬が含まれた場合にあっては、その全てに特別な薬学的管理指導を十分に行うことは現実的に困難な面もある。

ハイリスク薬の算定要件の一層の明確化を図ってはどうか。ハイリスク薬が複数処方されている場合において、一部のハイリスク薬における特別な管理・指導で不十分な項目がある場合、適切に対応しているその他のハイリスク薬に対する特別な管理・指導を部分的に評価することをどのように考えるか。
乳幼児への薬学的管理指導の充実

乳幼児に対しては、特別な薬学的管理・指導が必要である。
一方、調剤報酬においては、調剤技術料における自家製剤加算及び計量混合加算の中で、乳幼児製剤には特別な加算が評価されている。
これらの中には、処方せん受付時における患者背景等の聞き取りから、服薬指導、その後のフォローも含めた薬学的管理指導の一環と考えられる内容も含まれている。

現在、調剤技術料の中で評価されている乳幼児に対する薬学的管理指導については、調剤技術料における現行の扱いの整理と合わせて、別途、薬学的管理指導において評価することとしてはどうか。
情報提供料の適正化

薬学管理料における各種情報提供については、一連の調剤・薬学的管理指導の中で様々なものが存在し、算定要件も異なっている。

「調剤情報提供料」、「服薬情報提供料」及びその加算である「服薬指導情報提供加算」については、一連の調剤・薬学的管理指導行為の中で算定されるものであるため、整理・合理化して、診療報酬上一つの項目として評価してはどうか。

整理・合理化にあたっては、処方医の求めに応じた情報提供を基本とするが、薬剤師が特段の理由により、医師に情報提供の必要性を認めた場合にも算定できることとしてはどうか。


2011年11月30日 11:46 投稿

コメントが1つあります

  1. アポネット 小嶋

    CBニュースによれば、「基準調剤加算」の要件のうち、「在宅業務の届け出と体制整備」の要件がなくなり、在宅に取り組む薬局については、別の施設基準が新設されるようです。

    その代わりというわけではありませんが、現行の備蓄医薬品の要件引き上げについては採用される方向のようです。(開局時間については?)

    一方、調剤基本料については「既に40点で一元化されている」との認識で一致したようです。(これが4月以降も40点に維持されるかどうか・・・)

    医療介護CBニュース 11月30日
    http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36109.html