緊急避妊薬の販売年齢制限撤廃は時期尚早(米保健福祉省長官)

  緊急避妊薬の販売年齢制限の撤廃の可能性が報じられている(TOPICS 2011.12.07)米国ですが、米保健福祉省長官の Kathleen Sebelius氏は7日、現時点では時期尚早としたステートメントを発表し、話題となっています。

A Statement by U.S. Department of Health and Human Services Secretary Kathleen Sebelius
(U.S. Department of Health & Human Services 2011.12.07)
http://www.hhs.gov/news/press/2011pres/12/20111207a.html

 各紙を総合すると、今回の問題は現在PlanBを発売しているTeva社が今年2月、16歳未満でも使用が可能とする“Plan B One-Step”の製造承認をFDAに申請、FDAも承認に向け検討を進めているというのが昨日の報道でした(TOPICS 2011.12.07)が、長官はこの“Plan B One-Step”について、有用性と安全性については確保されているとする一方、16歳以下の若者が大人の援助なしで正確に使用することはできないとして、現時点では承認を認めないとの見解を示しています。事実上FDAの方針を保健福祉省が覆した形となっています。

 現在、PlanBは17歳以上に販売カウンター越しで販売されているOTC医薬品ですがこういった形で販売されるのは例外的であり、米国ではOTC医薬品はというと一般商店でも販売されているのが普通です。つまり、専門家が介して販売するという区分がありません。

 “Plan B One-Step”は専門家を介さないでも販売できるものとして申請が行われたようですが、17歳未満の若者が簡単に入手できる状況にすることについては賛否両論があり、再び論争に火が付く可能性があります。

参考:
‘Morning after’ pill will stay prescription-only for girls under 17
(CNN 2011.12.07)
http://edition.cnn.com/2011/12/07/health/hhs-morning-after-pill/
U.S. Health Secretary Says ‘No’ to Morning-After Pill for Younger Teens
(HealthDAY 2011.12.07)
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=659639
White House Overrules FDA On Access For Plan B
(Pharmalot 2011.12.07)
http://www.pharmalot.com/2011/12/white-house-overrules-fda-on-access-for-plan-b/


2011年12月08日 10:33 投稿

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