業界紙の記事に出ていたのですが、日本チェーンドラッグストア協会は、中医協で原則禁止が決まったポイント付与禁止(TOPICS 2011.11.02)について、付与継続を求める署名活動を開始したそうです(コメント欄から記事を独立させました。)
ドラッグストア協会 調剤ポイント禁止 撤回求め署名活動
(日刊薬業WEB フリーサイト 12月9日)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/dantai/article/1226565837063.html?pageKind=outline
RISFAX ヘッドライン 12月12日
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=37189
ヤフー知恵袋にもこんな投稿が
薬局関係者の方に質問です。 .
昨日職場で、「処方薬を出すときのポイント付与廃止の…
(ヤフー知恵袋 2011.12.09)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1077054350
下記サイトでは日経流通新聞MJの11月18日、23日の記事を紹介しています。
ビジネスニュース(SELME PLAZA)
http://www.selme.jp/news3_list.jsp?cid=25&p=2
エムズレポート
http://www.emscom.co.jp/report_detail_326.html
WEB上で署名をやっているかどうか探しましたがヒットしませんでしたので、店頭だけで行われているのでしょう。30万人の署名が目標だとか。
でもツイッター上では「資本主義の豚どもが」「自身を正当化している」「お客の要請=是なんですかね」など疑問を投げかける書き込みも。
今この時期にこんな署名をやったら、来春の調剤報酬に改定に少なからず影響があると思うんですけどね。
でも日薬はきっと静観するんでしょうね。
関連情報:TOPICS 2011.11.02 来年4月から調剤ポイント付与が原則禁止へ
12月12日 15:00、反対→継続を求めるに訂正
2011年12月12日 13:36 投稿
そもそもポイントについて原資が違うものに付与するのに、他人の褌で相撲とるなよ!そこまでしてポイントが欲しいかなぇ。ドラッグ業界のやる事、為すことにはとんと呆れております。まぁ、今の経済界に頭脳明晰な連中が存在しないのが残念でならない。他にやる事あると思うが・・・。一層のこと不況の一般用医薬品の通販全面解禁や、1,2,3類の登録販売者下での全面解禁など。
ポイント付与している側としましては、「親切丁寧な調剤、服薬指導の質を高める」などといいながら、ただ門前というだけで患者を集めている調剤薬局はなぜお咎めが無いのか理解し兼ねます。
まあ、個人的な意見はこの際おいておくとして、RISFAXではドラッグストア協会は法的な対応も含めてポイント付与禁止反対の姿勢を出したそうです。そもそも、一度「法」的に問題ないとされたものが「省令」で取り締まることができるのかってな感じで書いてありました。
この際、法廷闘争でもなんでもして完全に決着つければよいのでは、と思います。たぶん、他の医療従事者からは総スカン食らうと思いますが。
ポイント付与の問題は、法的に問題がないのではなく、正確には「現状、法として存在しないので問題にできない」です。
例えば、「私が魔法を使えて、それで人を害した」場合、「人を害した」部分に関しては状況証拠として問題にできるかも知れませんが、「魔法を使って」という部分は前例がないため、かなり上手く立証しないと問題とすることは難しいでしょう。基本、再現性がなければ立証できません。
法律が成立するためには、再現性があり、市民の生活に影響を及ぼす場合で、先のユッケ事件を例に挙げたほうがわかりやすいかもしれません。
普通に考えて、狭い業界に対するには、行政指導もしくは省令で対応するのが当然かと思います。
あと、この件でドラッグ・ストア業界が法廷闘争に出るのは考えにくいです。そこまでの金銭的メリットは想像できない。イメージの悪さが大きすぎる。
署名を集めるのも、国民が求めている的なアピールでしょうが、30万人は少なすぎます。
同様なことを行った通販の解禁も成果は出ていません。
企業利益が目に付かないやりかたが必要ではないでしょうか?
皆さんコメントありがとうございます。
ポイント導入で、実際に来局者(来店者)増につながっていることで、私は企業としてはもはや止めることはできないのではないかと考えています。
とはいうものの、日経MJに掲載された「ポイント付与はすでに浸透し、禁止は消費者の利益を損なう」と発言されたとする関係者の意見を聞くと、ネット販売で署名活動を行った通販業者の言い分と重なります。
「消費者の利益」とは何なのか、それとも「消費者の利益」に名を借りた企業論理の正当化ではないかを考えさせられます。
関連ブログを見つけました。
こんなに・・・どうする
(医療・介護を支える継続企業の知恵袋 2011.12.14)
http://blog.goo.ne.jp/kae-manage/e/890d4fa8a054b866fc7108a40073c0e0
この方も「療養担当規則」で禁止できるのかどうか疑問を投げかけています。
また、調剤ポイント中止に対し「問題と争点」として厚労省に突きつけたとされる7項目が興味深いです。
ドラッグストア協会も店頭の署名だけではなく、正々堂々とWEBなどでも意見を訴えたらどうでしょう?
今回のポイント付与の件は、どうも納得がいきません。「薬局が独自に付けるポイントはダメだが、カード会社が付けるものについてはやむをえないこととする。」だったら、あるカード会社が、○○薬局での支払いに対しては、ポイント3倍付けますってしたときにどうすんの?カード会社には圧力がかけられないから放っておくの?
『・・・このようなポイントとは一体何かとなると、平成15年4月23日衆議院経済産業委員会において、民主党中山義活代議士の、「ポイントカードは景品か、値引きなのか明らかにしていただきたい。」という質問に対し、公正取引委員会竹島委員長は、「公取としては、これは値引きである、景品ではない、値引きであるという扱いをさせていただいております。・・・と答弁している。』
と、古いですがその後別に見解は変わってないと思うので、医療費でなければいいとか、色々屁理屈つけても値引きは値引きですよね。
クレジットカードは例外とか言わずに、タバコはタバコ事業法に価格の明記があるのでポイント不可でも独禁法違反にならないんですから、医薬品も「薬価」は薬事法、「診療報酬」も医療法などに記載して、はっきりすればいいのでは?
ぼんたさん情報ありがとうございます。
衆議院会議録第156回第12号から抜粋
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009815620030423012.htm
○中山(義)委員
最近よくポイントカードというのがありますね、電気屋さんで。このポイントカードというのは景品なのか、それとも値引きなのかよくわからないんですが、この辺についてもちょっと明らかにしていただきたい。
○竹島政府特別補佐人(公正取引委員会委員長)
ポイントのことでございますが、公取として、これは値引きである、景品ではない、値引きであるという扱いをさせていただいております。また、その旨も世の中に明らかにさせていただいているところでございます。
○中山(義)委員
最後にちょっと申し上げますが、不当廉売というのがありまして、ポイントカードが景品じゃなくて値引きとなると、計算上完全な不当廉売になる、こういうケースが多いんですね。そういう面では、この辺もしっかり監視をしていただきたい。
確か公取委じゃ、ポイント付与を禁止することは独禁法違反だといっていたような気がしましたが、当時は「値引き」と解釈していたんですね。
中山委員は次の委員会でも意見を述べています。
第162回国会第4号平成17年3月11日
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009816220050311004.htm
一方で、ポイントカードの提供が、再販売価格維持行為について定めた事業者間の契約に反するかどうかについては、当該事業者間において判断されるべき問題であるとの答弁も。(調剤報酬は再販価格じゃないけど)
第151回国会(常会)答弁書第四一号 (参議院質問主意書)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/151/touh/t151041.htm
公正取引委員会が診療(調剤)報酬をどのように位置づけているか気になります。
ポイント禁止に独占禁止法違反(競争妨害)と判断したということは、民間の商取引と同じと見ているのではないでしょうか?
ここは主要団体がもう少し突っ込んでおいたほうがよいと感じます。
将来の外圧・TPP対策のためにも。
カード会社の付与は、カード会社と消費者の取引でのことなので、仕方ないかと。
病院で先行してクレジットカードを使えた時からのことですから。
医師会はそちらは問題にしていません。
病院がポイント付与しているわけではないので。
ポイントカードについての議題があった11月2日の中医協の議事録が掲載されています
第203回中央社会保険医療協議会総会議事録(2011年11月2日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001x9ze.html
資料はこちら
(総-3)調剤薬局等における一部負担金の受領に応じたポイントの付与等について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001trya-att/2r9852000001ts30.pdf
委員の意見からいくつかを抜粋します。
○西澤委員(全日本病院協会会長)
これは、今の御提案のとおりでよろしいと思いますが、実は、最近、このクレジット会社と、それから調剤薬局等々を大きくやっている場合は、それの共通カードというのがあると思います。ここで言うところのクレジットカードとポイントカードとの共通カードがあると思うんですね。そういう場合の取扱いというものもきちんと明記していただいた方がいいと思います。
○安達委員(京都府医師会副会長)
これは、大分前から問題になっていて、製薬関係のメディアの方から一度私の意見を問われたことがございました。言葉で言うと誤解が生じるのでということで、文章を書かせていただいて、そのとおりの私の回答にさせていただいたんです。
そのときの考え方は何かというと、ポイントカードを付けておられる、そういう大手の、いわゆる薬局チェーンのようなところの皆様方の反論は、病院の支払い等々はカードで決済しているではないかと、このカードにもポイントが付くじゃないかというのが反論の大きな趣旨だったと思います。
私がお答えした、今でもそう思っておりますが、要するにポイントというのは、自社をあるいは自分のところの製品を使ってくださいということの誘導のための付加価値ですから、だから一般の社会的な、いわゆるクレジットカードのポイントというのは、クレジットカードの会社が、うちのクレジットカードを使ってくださいという誘導のためのポイントであります。ですから、このポイントは、そのクレジットカードが使われる、社会的に非常に多くの購買分野でそれが使えるということになるわけで、、いわゆる医療機関が自らの院に来てくださいというためのポイントではないというくくりができると思います。
一方で、薬局のポイントカードというのは、さすがに薬剤費の支払いそのものにはお使いにはなれませんけれども、そのチェーンの中にある自社の幾多の商品の購入には全部使えるということですから、、公定価格である薬剤費用を支払うに当たって、自社だけに誘導をするというようなポイントなので、この違いは明らかだと、だから、これはだめにしましょうという意見を申し上げたんです。
ですから、それで、今、西澤委員の御質問の、ポイントカードの2番目ですね。自社だけではなくて、少し広がったような共通カードというのと、クレジットカードというものとの境目をきっちりやれるかということが具体的には問題なので、もう少し巧妙なものが出てきたらどうするかということは、これはまた別途議論するしかないのかなというふうに思います。
ですから、対応といたしましては、この2番に書かれたような下線以下の「のではないか」というのは全部要らなくて「ふさわしくない」でいいんだろうと思いますし、その後ろの対応策も「としてはどうか」というのは全部要らなくて、これでいいんだろうというふうに思います。
3番目の○が、こうした考え方は保険医療機関にも同様でないかというふうにお書きになったのは、そのチェーン薬局店などから病院の支払いにおいてもカードを使ってポイントが付くではないかということの御指摘に対してのお答えだと思いますので、、医療機関がたくさん受診されたからポイントを付けて、年末にはハワイ旅行をどうぞ、そういうことは思いもよらないということは事実でございますので、これは書いていただかなくてもいいんですけれども、念のためにお書きになったのかということで、やむを得ず了承いたしますと、そういう感じでございます。
○石津委員(明治大学経営学部教授)
私もこのポイントにつきましては、調剤料や薬価の公定価格制度をある意味形骸化させるものであるというふうに思われるので、対策を取ることが重要だというふうには考えております。
しかし、対応策にありますように、この目的によって場合分けするような考え方というのには少し懸念するところがあります。多分、今回、この目的によって場合分けされましたのは、1つには、既にクレジットカードによるポイントが普及しているという点。もう一つには、ポイントが一部負担金の減額に当たると捉えられるかどうかというところに課題があったということだったんではないかと思います。
すなわち、我が国においては、収益認識においてまだ国際会計基準とのコンバージェンスの途上にあるので、したがって、国際会計のように売上時に、そのポイント分を控除するという形になっていないために、減額したと認識されるのが、ポイント利用時に限られ付与時にはなされません。これらの点との整理の具合ということで、今回、この目的別ということで考えられたんではないかというふうには理解しております。
ただ、私が懸念しますのは、調剤薬局が株式会社、この間聞きましたところ、5、6割が株式会社じゃないかということも伺いましたけれども、、株式会社という企業形態ですと、やはりその目的は利益の追求にあるわけです。ですから、ある特定のところに規制をかけますと、それをくぐり抜けるような形で新しい企業活動やサービスを行ってくるというようなことが考えられます。それは、ファイナンスリースにおける規制当局とのイタチごっこのような先例を見れば明らかではないかと思っております。
そうであれば、今回のように、こういう場合はこう、という形ではなくて、やはりポイントというのは、医療制度の趣旨から好ましくないということは、まず、最初に明らかにした上で、ただし、クレジットカードに関しては、利用者の利便性等を考えて、例えば過度な経済的な誘導のインセンティブをもたらさない範囲において、やむを得ない措置として認めるとか、そういったような形にした方が、後々いろんなタイプのものが出てきて、そのたびに対応を考えるということにならないで済むのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○薬剤管理官
薬剤管理官でございます。ただいま石津委員御指摘のように、基本的な対応案といたしましては、私どももポイントの付与を基本的に認めないことを原則とする、これはすべてにかかっていると、そういう理解でございます。
その中で、クレジットカードあるいは電子マネー、これについては一定の利便性、向上目的ということでやむを得ないという形にしているということでございますので、基本的には、石津委員御指摘の線で整理させていただいているというふうに理解しているところでございます。
○石津委員(明治大学経営学部教授)
今の御説明で大体わかりました。今日の資料だと、ほかの委員からもご質問がありましたけれども、新しい多様なサービス形態が出現した際に、はたして禁止事項に該当するのかどうかといった懸念が出てくると思います。ですからやはり原則としては禁止だというトータルなものを明らかにした上で、例外的に認められるのはこうだという限定列挙的な形でお示しされるといいのかなと思います。
○白川委員(健康保険組合連合会常務理事)
このポイント制ですが、もう1年以上前からいろんな形で、私も伺ってはおりましたけれども、、調剤薬局といいますか、公定価格にポイントを付けるということは実質値引きでありますから、我々サイドとしては、そんな余裕があるのなら薬価下げろと言いたいところなんですが、調剤薬局全体でやっているという話ではなくて、一部がこういうポイントで客寄せをやっているというのが実態ということも承知をしております。
公定価格である以上、こういう値引き行為は、やはり認めるわけにはいかないと考えますので、事務局の御提案の内容で結構だというふうに考えております。
何人かの委員がおっしゃいましたとおり、規則をつくりますと、その規則をくぐり抜けるような新たな手法が出てくるというのは、世の常かもしれませんが、私は法律学者ではありませんけれども、法の精神というのがあるわけでございますので、事務局におかれては、そういう法をつくったあるいは規則をつくった精神というのを大事にして、それをきちんと運用していただくように、併せてお願いいたします。
○三浦委員(日本薬剤師会常務理事)
今、白川委員からの御発言があったとおり、これは、ごく一部の薬局が独自の判断でされたんだろうというふうに我々も理解しており、最初にこういう問題が出たときから、多くの薬局は、それはおかしいということで意見を大変多くいただいておりました。、我々としても、当然この問題については、利益誘導のためにのみやっているのではないかという考えもありまして、これは何とかいろいろな関係団体等にもお願いをして、そして、理解をしていただいて、やはりこれはルールに、今のお話でもあったとおり、法の精神にもとると、我々もそういうふうに思っておりますので、今回のこういう御提案で大変速やかに、これが執行されるようにお願いしたいと思っております。
昨日、神奈川県内の調剤併設のチェーンのドラッグに入ったところ、署名用紙は出ていませんでしたが、署名の協力を呼びかける張り紙はしていました。
下記、薬事日報配信記事にあるように、「生活者が受けるメリットを奪う」ことなどを訴えていましたね。
調剤ポイントで署名活動展開「慎重に協議し対応」
日本チェーンドラッグストア協会
(Pharmacist Magagine 2011年12月19日 薬事日報配信)
http://www.pharmacist-magazine.com/news/article/294.html