タミフルと突然死(国内研究)

 NPO法人医薬ビジランスセンターの浜六郎氏らの研究グループは、タミフル使用で突然死が増加するとした研究結果を International Journal of Risk & Safety in Medicine 誌で明らかにしています。

Oseltamivir and early deterioration leading to death: A proportional mortality study for 2009A/H1N1 influenza
Int J Risk Saf Med. 2011 Jan 1;23(4):201-15.)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22156085
http://iospress.metapress.com/content/5257410g24403m68/fulltext.pdf
(オープンアクセス)

 『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版で、論文概要と上記論文の日本語訳(→リンク)が掲載されています。

タミフルが突然型死亡を誘発:疫学研究ではじめて指摘
(『薬のチェックは命のチェック』 インターネット速報版No151)
http://npojip.org/sokuho/111221.html

 研究者らは、2009-10年のシーズンに新型インフルエンザに罹患後死亡した症例198人のうち、初回受診中までには、人工呼吸器を必要とするほどの状態悪化が認められなかった162人(重篤前にタミフル使用119人、重篤前にリレンザ使用15例)について解析しています。

 その結果、タミフルがリレンザと比較して、死亡につながる突然の重篤化を約6 倍、抗ウイルス剤も解熱剤も使われなかった場合と比較して約4倍に増加させることが示されたとして、「予防の原則」を考慮し、タミフルの潜在的有害性を考慮すべきだとしています。

関連資料:
平成23年度第7回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
(厚労省2011年11月2日開催) 
 資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vftu.html
議事録:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001yjzd.html

参考:
タミフルで突然死増加? 医師ら国内死亡例を分析
(47NEWS 2011年12月21日 共同通信配信)
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011122101001940.html
タミフル:副作用、専門家が分析 重篤化誘因の恐れ
(毎日新聞12月30日)
http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20111230ddm041040032000c.html

12月30日リンク追加


2011年12月22日 01:15 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    読売新聞によれば、厚労相にタミフルの使用中止などを求める要望書を提出したそうです。(現時点ではWEBには掲載されていない)

    厚生労働大臣にタミフル使用中止を要望
    (『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No152)
     http://npojip.org/sokuho/111223.html

    読売新聞12月22日
     http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111222-OYT1T00415.htm

  2. アポネット 小嶋

    薬害オンブズパースン会議の注目情報に解説記事が掲載されています。

    タミフルにより突然型死亡のリスクが有意に高くなるとの疫学的研究報告
    :因果関係の詳細な調査の必要性を指摘
    (薬害オンブズパースン会議 注目情報 2012.08.23)
    http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=360