12月12-14日に開催された、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)のファーマコビジランス作業部会(PhVWP)のMonthly reportが10日公表され、いくつかの医薬品で注目の評価報告書が示されています。
Pharmacovigilance Working Party (PhVWP)
December 2011 plenary meeting → PDFリンク(→Google翻訳)
ゴナトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストとうつ病リスク | 日本における疫学調査で自殺を含む重篤なうつ症状の報告が示されたことから、EMAでもレビューを実施、抑うつと気分の変化が認められると結論。日本でも複数のGnRHアゴニスト類(スプレキュア点鼻、ナサニール点鼻、スプレキュア注、ゾラデックス注、リュープリン1.88注と3.75注)が発売されていますが、日本子宮内膜症協会(http://www.jemanet.org/05_action/index.php)が2007年に厚労省に提出した要望書なども今回の結論の根拠となっているようです。
子宮内膜症治療薬GnRHアゴニスト類の副作用(うつ、自殺企図・自殺念慮)に関する要望書 |
HMG-CoA還元酵素阻害剤と新規発症糖尿病のリスク | LANCET誌に掲載されたメタアナリシス(→リンク)などをレビュー、ベネフィットがリスクを上回るとしながらも、スタチンの使用と新規発症の糖尿病のリスクが高まると結論。今後警告の記載が行われるとのことです。この問題については、つい最近も閉経後の女性がスタチンを使用すると糖尿病の発症リスクが高まるとした論文が発表されています。
Statin Use and Risk of Diabetes Mellitus in Postmenopausal Women in the Women’s Health Initiative |
メトトレキサートの誤った連日服用による過剰摂取のリスク | EUでも、週に限られた日に飲むことができす、過量服用になる事例が少なくないそうです。リスク防止のための対策がとられます。 |
モンテルカストと子どもの精神神経系副作用のリスク | 2012年までに評価を確定させるそうです。 |
PPIの長期使用による低マグネシウム血症のリスク | スペインのファーマコビジランスセンターでのレビュー結果を受け、EMAでも製品情報の変更を行うとのこと。米FDAでも注意喚起が行われていましたね。 |
2012年01月11日 01:22 投稿