調剤ポイント付与原則禁止についてのパブコメ開始

 中医協で、4月からの調剤ポイントの原則付与禁止が合意されていますが、省令の改正を伴うことから、一応パブリックコメントが実施されることになりました。

「保険医療機関及び保険医療養担当規則」及び「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」並びに「高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準」
(案の公示日 2012年01月10日 意見・情報受付締切日 2012年01月31日 )

 改正案では、療養担当者規則などを根拠に「保険医療機関及び保険薬局は、患者に対して経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の診療を受け、又は自己の調剤を受けるように誘引してはならない」とした条文が盛り込まれるようです。(WEB上では接骨院の客寄せ行為も問題との書きこみも。これらも該当か)

 ツイッター上では、署名への協力をよびかける書き込みがある一方、「ポイントは客からすれば単純にお得感があるように感じるが、ポイントを付加できるのは大規模チェーン。個人でやってる店を応援したいので署名は断った。」の声もあり、一般の方でも意見が分かれるようです。

 任意の意見募集なので、締め切りは今月末です。思い思いの意見を伝えましょう。

関連記事:
日刊工業新聞1月9日
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020120109cebf.html
「調剤ポイント付与」原則禁止招いたドラッグストア業界の無法ぶり
(集中 CONFIDENTIAL 2011.11.04)
  http://medical-confidential.com/confidential/2011/11/post-318.html
  (若干誤認があると思うけど)

関連情報:TOPICS
  2011.11.02 来年4月から調剤ポイント付与が原則禁止へ
  2011.12.12 ドラッグストア協会、ポイント付与継続を求める署名を開始


2012年01月11日 14:49 投稿

コメントが10つあります

  1. とおりすがり

    厚労省のパブコメですが、
     1.通常は1ヶ月ものものが3週間しか期限がない
     2.通常は募集要項のPDFに入力フォームへのリンクが埋め込まれていますが、
       この件は「メールを送れ」となっている

    等から、厚労省の意図が透けてみえます。

  2. とおりすがり

    1番目の補足

    そして何より、一般人がこのタイトルから「調剤ポイント付与」の件だとは判断できないw

    「保険医療機関及び保険医療養担当規則」及び「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」並びに「高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準」一部改正(案)について

  3. アポネット 小嶋

    最近の厚労省関連のパブリックコメントは、方針を決めたあと、アリバイ的に意見を集める感もあるので、仕方ないですよ。

    かつては方針が覆ることもありました(TOPICS 2006.12.16)が、ネット販売緩和の件を見ても最近は一応意見を聞いておきましたという感が強いです。

    ただ意見を伝えれば、どのような意見が国民の間にあるのかという把握にはなるので、中長期的な政策作りには何らかの影響を及ぼすることはあると思うので、私も必要に応じて意見を提出しています。

    また、わかりづらいことは確かですが、厚労省のHPからたどることができるので、本当に興味がある方は探しに行くと思いますよ。

    緊急性かつ国民全体に及ぶパブリックコメントであれば、独立してリンクを張ることはありますが、今回の件はそれほどではないということでしょう。

    なお、じほう社がつい最近開設したMagPlusに考え方について記した関連記事を掲載しています。

    【論点】ポイント付与は保険医療にどんなメリットがあるのか
    (MagPlus 2012.01.13)
    http://magplus.jiho.jp/magplusplus/report/id/13

    最後の「薬局のポイント付与を認めるよう訴えるなら、そのポイントが保険医療にどれだけ貢献しているかを説明するのが一番の早道だと思います。」という部分には概ね同意しますね。

  4. とおりすがり

    ただのとおりすがりに丁寧なコメントをありがとうございます。
    紹介いただいたじほう社の記事を読みました。
    「あくまでも保険医療にどう貢献できるか」という観点は、意識していませんでした。

    保険医療に貢献という意味では、「患者の生活の場に近い薬局に処方箋が集約されることになり、結果的に面分業の推進が実現できる。」といった所でしょうか。

  5. とおりすがりさんのおっしゃるとおりだと思います。

    薬剤師として、ポイントを付けることにつけることについては、抵抗を感じますが、ポイントを付けるメリットとして、
    「患者の生活の場に近い薬局に処方箋が集約されることになり、結果的に面分業の推進が実現できる。」
    という部分だと思います。このことは、日本の医薬分業が、門前薬局隆盛から、理想の面分業へ進む要因になります。ポイントを付けることによる患者のデメリットよりも、面分業が促進されるというメリットの方が大きいと思います。

  6. アポネット 小嶋

    署名が現時点で25万人分集まったそうです。40万人も夢ではないそうです。

    ドラッグストア協会のパワーですね。

    ドラッグストア協会  調剤ポイント継続の署名、25万人突破
    (日刊薬業WEBフリーサイト 1月13日)
    http://nk.jiho.jp/servlet/nk/dantai/article/1226566378338.html?pageKind=outline

    WEBでも主張すればいいのにね。

  7. アポネット 小嶋

    日薬は1月26日の定例記者会見で、意見を24日に提出したことを明らかにしています。

    一部負担金の支払分に係るポイント付与を原則禁止する一部改正案(パブリックコメント募集)に関する本会意見の提出について
    (2012年1月26日定例記者会見資料)
    http://www.nichiyaku.or.jp/press/wp-content/uploads/2012/01/120126_2.pdf

    日薬では、

    1.保険薬局における健康保険事業の健全な運営を損なう恐れがある。
    2.間接的もしくは結果的に、一部負担金を減免することになる可能性が非常に高い。
    3.保険調剤時の過剰な景品類の提供に繋がるなど、保険薬局の本来業務という観点から見れば、不適切もしくは過剰なサービス行為である。
    4.医療保険の費用の一部は公費(税金)であることを考えると、公的医療保険制度には馴染まない行為である。
    5.患者が保険薬局を選択するにあたっては、保険薬局が懇切丁寧に保険調剤を担当し、保険薬剤師が調剤、薬学的管理及び服薬指導の質を高めることによりなされるべきである。

    として、療担、薬担および療担基準の一部改正案に賛成するとしています。

  8. これはびっくり

    1月27日のRISFAXに爆弾投稿があったようです。

    http://www.risfax.co.jp/

    【2012年1月27日】

    パブリックコメント 厚労省が“やらせ”を指示
    調剤ポイント禁止、日薬と保険薬局協会に賛成意見を
     ドラッグストアで急拡大した「調剤ポイントサービス」。

  9. アポネット 小嶋

    私も今朝からこの見出しが気になっていました。

    一方で、WEBにはこんな記事も。

    寺島薬局 パブリックコメントに「調剤ポイント継続」やらせ意見
    (MEDICAL CONFIDENTIAL 2012.01.24)
    http://medical-confidential.com/confidential/2012/01/post-348.html

    この記事の通りなら、署名は集まりますよね。

  10. アポネット 小嶋

    署名は42万人分集まったそうです。本当に訴訟にまで発展するのでしょうか?

    ドラッグストア協会 調剤ポイント継続の署名42万人、対応検討へ
    (日刊薬業WEBフリーサイト 2月3日)
    http://nk.jiho.jp/servlet/nk/dantai/article/1226566721541.html?pageKind=outline