スイスでは、4月から200の薬局と訓練を受けた450人の薬剤師が参加して、ITを活用したプライマリ・ケアのパイロット・プロジェクトが行われるそうです。
このプロジェクトは、“netCare” といい、pharmaSuiss(スイス薬剤師会)と、遠隔医療のリーディングプロバイダのMEDGATE、保険会社のHelsanaグループなどのコラボレーションで行われるもので、pharmaSuissのウェブサイト(http://www.pharmasuisse.org/)には、モデルケース(膀胱炎)でどのようにこのプロジェクトが行われるかのビデオも掲載されています。(日本でもそう遠くない将来こうなるのではないかとも思いました。ダウンロードにちょっと時間がかかりますがビデオは必見です)
net Care
http://www.pharmasuisse.org/de/dienstleistungen/Themen/Seiten/netCare.aspx
- プレスリリース(ドイツ語)(→Google翻訳)
- 概要(ドイツ語)(→Google翻訳)
- モデルケースのシナリオ(ドイツ語)(→Google翻訳)
- netCare 紹介ビデオ(47.7MB、WMVファイル)
(追記)取り組んでいる薬局がビデオをアップしています。(そのまま見れる)
netCare in der Apotheke Hinwil AG
http://vimeo.com/40855044
上記ビデオや各紙によれば流れは次のようになるようです。
- この2日間、排尿時の痛みを感じることから薬局へ
- 薬剤師は、専用のスペースでインタビューを行いアルゴリズムに基づきトリアージを行う
- WEBビデオ(TV電話)を用いた問診等で対応が可能と判断とした場合、MEDGATEの遠隔医療システムを用いて、医師による診察を受ける
- 診察の結果、医師は処方せんを書いて、FAXで薬局に送る
- 薬局ではFAX処方せんで調剤を行い薬を渡すが、非処方せん医薬品で対応することもある
- WEBでの診療に適さない場合は受診を勧める
- 3日後に経過を確認する
- 費用はトリアージを行う薬剤師に対して15スイスフラン(約1,200円)、WEB診療費を加えた薬剤費は48スイスフラン(約3,900円、自己負担の割合や医薬品実費が別途かかるかは不明)
- 対応可能な疾患(症状)は、咳・膀胱炎・結膜炎・のどの痛みなどアルゴリズムが可能な20疾患
簡単に言うと、軽い病気の場合は医療機関に直接行く必要がなく、一定の条件を満たした場合に限り近くの薬局でWEBビデオで診察→処方せん薬の入手が可能というもので、かかりつけ医がない人や週末などで医療機関が休みのとき、医療過疎地で有用ではないかとしています。(医療費の抑制も念頭に置いているらしい)
限られた疾患とはいえ、まず体の不調を感じたら、まず薬局がゲートキーパーとなり、必要に応じて医療につなげるという、地域薬局という場と地域薬剤師の職能を活用したプライマリ・(ヘルス)・ケアの実践です。
保険会社や遠隔医療の会社に薬局が支配される懸念はありますが、CDTMにもつながる薬局の近未来像を示したものともいえます。成果が注目されますね。
今後、業界紙やスイスとのコネクションのある大学関係の方からのレポートなども期待しています。
参考:
Doctors examine patients via web linkup
(WRS 2012.01.09)
http://worldradio.ch/wrs/news/wrsnews/doctors-examine-patients-via-web-linkup.shtml?28446
Apotheken testen telemedizinisches Versorgungsmodell
(DAZ.Online 2012.01.10)(→Google翻訳)
http://www.deutsche-apotheker-zeitung.de/spektrum/news/2012/01/10/apotheken-testen-telemedizinisches-versorgungsmodell/6197.html
Wenn dere Arzt in die Apotheke gebeamt wird
(20min 2012.01.09)(→Google翻訳)
http://www.20min.ch/news/schweiz/story/16559194
1月12日 9:40更新 2014年6月29日更新
2012年01月12日 00:20 投稿
フォロアーさんが関連記事を紹介してくれましたので、コメント欄を一時的に復活させて、紹介します。
薬局薬剤師のやる気を起こすには。スイスの例
(伸二のブログ 2013.03.10)
http://riehener.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-7599.html
成果が気になったのでググったところ、学会などでの報告がありました。
netCare – a new telemedicine service in Swiss pharmacies
(PHARMACEUTICAL CARE NETWORK EUROPE Working Conference 2013 – Abstract)
http://www.pcne.org/conferences/wc2013/Abstracts/4-Ruggli.pdf
上記によれば、400のvideoconsultationsを実施、膀胱炎・結膜炎・咽頭炎などのアルゴリズムが主に使用され、土曜と朝のサービスが高く評価されたそうです。
2012年のFIPでもスイス薬剤師会がプレゼンをしています。(ワクチンとe-ラーニングの話も)
FIP Congress Oct 5, 2012 “8S Reports from your global network:
FIP Member Organiza Fons present their best cases and challenges”
http://www.fip.org/files/abstracts/2012/Presentation2012/8C1%20Ruggli.pdf
英語の記事もありました。
Disrupting the health ecosystem: how pharmacists can take pressure off GPs
(Health Tech View 2013.07.18)
http://www.healthtechviews.com/2013/07/18/disrupting-the-health-ecosystem-how-pharmacists-can-take-pressure-off-gps/