30日の中医協総会で、27日の総会で取り上げられなかった調剤報酬などについて、改定点とその算定要件が示されました。(30日の中医協に案として示されたもので決定ではありません。点数はまだです。内容確認次第さらに記事更新予定)
第219回中央社会保険医療協議会総会
(2012年1月30日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html
個別改定項目について(その2 総-3-4 調剤関連)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670-att/2r985200000216ve.pdf
個別改定項目について(その2 総-3-1 医療連携関連)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670-att/2r985200000216cz.pdf
項目 | 算定要件など |
---|---|
在宅調剤加算の新設
処方せん受付1回につき○点を加算。 |
施設基準に適合している薬局において、在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定している患者に対する調剤を行った場合、処方せん受付1回につき○点を加算する。
[施設基準] ※ なお、必要な体制整備の要件として、過去一年間の在宅患者訪問薬剤管理指導等の実績、医療材料及び衛生材料を供給できる体制、医療機関及び福祉関係者等に対する在宅業務実施体制に係る周知等を定めることとする。 |
小規模薬局間の連携による在宅業務の評価 | 在宅患者訪問薬剤管理指導を主に担当する薬局(以下「在宅基幹薬局」という。)が、それを支援する薬局(以下「サポート薬局」という。)とあらかじめ連携している場合、在宅基幹薬局が対応できない場合の臨時対応として、サポート薬局が行った在宅患者訪問薬剤管理指導料等についても算定できることとする。
ただし、保険請求は在宅基幹薬局が行うものとする。 |
在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定要件に患家との距離要件を設定する | [算定要件・追加] 保険薬局の所在地と患家の所在地との距離が16キロメートルを超える場合、特殊の事情がある場合を除き算定できない。 |
残薬確認も含めた薬剤服用歴管理指導料の包括的評価
【薬剤服用歴管理指導料】 |
薬剤情報提供料を廃止し、お薬手帳を通じた情報提供を算定要件として薬剤服用歴管理指導料の中で包括的に評価。また、薬歴を活用した残薬確認や後発医薬品についての情報提供についても薬剤服用歴管理指導料の算定要件に加える。
[算定要件・追加] |
薬剤情報提供料の廃止 | 上記に包括化(お薬手帳は上記の算定要件に) |
特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬)の算定要件の明確化 | 具体的要件は現時点では示されず |
乳幼児服薬指導加算の新設
【薬剤服用歴管理指導料】 |
[算定要件] 乳幼児(6歳未満)に係る調剤に際して必要な情報等を直接患者又はその家族等に確認した上で、患者又は患者の家等に対し、服用に関して必要な指導を行い、かつ、指導内容等を手帳に記載。 ※自家製剤加算及び計量混合加算での評価は廃止 |
基準調剤加算の施設基準の見直し | [施設基準]通則の変更地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた開局時間となっている。(近隣の医療機関に合わせた開局日や昼休みに休むよう届けがある場合は不可?)が追加(2)基準調剤加算1の基準 十分な数の医薬品を備蓄していること。 500品目以上→700品目以上 (3)基準調剤加算2の基準 |
調剤情報提供料、服薬情報提供料等の見直し
服薬情報等提供料の新設 |
[算定要件] 処方せん発行保険医療機関から情報提供の求めがあった場合又は薬剤服用歴に基づき患者に対して薬学的管理及び指導を行っている保険薬局が当該患者の服薬等に関する情報提供の必要性を認めた場合において、当該患者の同意を得て、当該患者が現に診療を受けている保険医療機関に対して、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する。 |
調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し | 調剤体制加算1 22%(現行20%) 調剤体制加算2 30%(現行25%) 調剤体制加算3 35%(現行30%) ※後発医薬品の調剤数量の割合を計算する際に、経腸成分栄養剤及び特殊ミルク製剤に加えて、漢方製剤及び生薬については、後発医薬品の調剤数量の割合を算出する際に、分母から除外することとする。 |
調剤料における後発医薬品調剤加算及び薬学管理料における後発医薬品情報提供料の廃止 | |
医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制評価の見直し | 医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、後発医薬品使用体制加算の現行の要件(後発医薬品の採用品目割合20%以上)に「30%以上」の評価を加える。 |
一般名処方の推進 | 一般名による記載を含む処方せんを交付した場合は、処方せんの交付1回につき○点を加算する。 |
処方せん様式の変更 | 下図 |
医療用麻薬処方日数(14日)制限の緩和 | 緩和医療のさらなる推進の観点から、現場のニーズを踏まえて、医療用麻薬である以下の4製剤について、30日分処方に改める。 ・ コデインリン酸塩(内用) ・ ジヒドロコデインリン酸塩(内用) ・ フェンタニルクエン酸塩の注射剤(注射) ・ フェンタニルクエン酸塩の経皮吸収型製剤(外用) |
関連情報:TOPICS
2010.01.13 平成24年度診療報酬改定案(現時点の骨子)
参考:
医療介護CBニュース1月30日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36498.html
m3.com 医療維新1月30日(要会員登録)
http://www.m3.com/iryoIshin/article/147775/
1月30日 12:35、 2月1日 10:50更新
2012年01月30日 10:09 投稿
お薬手帳いらないって言われたら管理料算定できなくなるのか。
若い人で、めったに病院にいかないような人には算定するのがちょっと厳しいかも。
わたしもそこの細かい要件が今後どうなるかが気になっています。
お薬手帳が有用ということなのでしょうから、既にやっている地域もありますが、三師会と行政が共同して、地域統一のお薬手帳を作ることも必要かと思っています。
訪問薬剤管理指導の実績となると、ほとんど「介護保険」で算定してますから、実質加算とれないのじゃないですか?(と一応心配)
また、16km以上離れたら算定不可とありますが、過疎地域対策をしてないのに、このようなしばりをするのはおかしいと・・・・これもまあ医療保険ですからいいのでしょうね。
基幹薬局で算定してってことですよね。
昨日の?は解決しました。
お薬手帳は、後期高齢者の頃と一緒になるって単純に思いましたけど。
推進してるのか、止めさせているのかわからないですね、役所のすること。
お薬手帳の件、メディアによる「お薬手帳をいらないというと安くなる」という“節約の指南”も大きいと思いますよ。
これからはこんなことを言われなくてすむと思いますが、メディアはお薬手帳について、視聴者の関心を集める内容だけでなく、きちんと医療上のメリットをきちんと伝えて欲しいですね。
いつも思うのですが、医療上メリットがあるさまざまな加算については、患者さんに一律に負担をお願いするのはどうなのかと思います。
今回、一般名で処方することに加算がつくことになりそうですが、中医協ではたとえそれが数10円程度であっても患者さんに負担をお願いするのはおかしいとの意見も出ているそうです。
連携パスなどもそうですが、患者さんにとっていいことと思っても、それが患者に負担がかかると考えれば、実際に行っても算定しない施設もおそらくあると思います。
新しい取組を進めるのであれば、患者さんに負担がかかからないようなしくみ(定額負担の考え方)も考える必要があるのではないかと思います。
関連ブログ:
調剤報酬の改定とおくすり手帳
(みゃんこがゆく!! 2012.01.31)
http://myankoblog.seesaa.net/article/249447022.html
1日の中医協で若干の修正が出ています。
第220回中央社会保険医療協議会 総会
(2012.2.1開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1.html
個別改定項目について(その1)修正部分見え消し版(病薬関連)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1-att/2r98520000021o64.pdf
個別改定項目について(その2)修正部分見え消し版(在宅医療・医療連携関連)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1-att/2r98520000021o6b.pdf
調剤関連は、30日の中医協でも特に意見が出なかったことから、算定要件などについては修正はありませんが、処方せんの様式について、変更不可の場合のチェックが「×」でもよいとすることが追記されています。
骨子における「重点課題」及び「四つの視点」関連項目
(調剤報酬及び後発医薬品の使用促進)修正部分見え消し版
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1-att/2r98520000021o6p.pdf
おそらく10日過ぎに開催される中医協総会(2年前は12日の中医協)に点数がついたものが答申として出され、正式決定となる見込みです。
パブリックコメントの結果と公聴会で出された意見もアップされています。
「平成24年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」
に関するご意見の募集の結果について
(2012.02.01中医協総会資料総-1)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ck1-att/2r98520000021hb7.pdf
第216回中央社会保険医療協議会総会(公聴会)の概要
(第217回中医協総会資料総-6-1 2012.1.25開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020zbe-att/2r98520000020zhm.pdf
第216回中央社会保険医療協議会総会(公聴会)傍聴者に対するアンケート結果
(第217回中医協総会資料総-6-2 2012.1.25開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020zbe-att/2r98520000020zys.pdf
基準調剤加算の算定要件の
「地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた開局時間となっていること。」の解釈として平日の門前の医院の休診日(水曜日とか木曜日)も含める事になったら、基準調剤を算定できる薬局は半減するね。
門前が休みの水曜日に薬局開けても、処方箋くるのかな??
薬剤師の給料分、持ち出しになる。
開局時間については
(平成五年四月三〇日)
(薬企第三七号)
(各都道府県衛生主管部長あて厚生省薬務局企画課長通知)
薬局業務運営ガイドラインについて
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kenkou/iyaku/sonota/kakaritsuke/files/guide.pdf
の中で
8 開局時間について
特定の医療機関からの処方せん応需にのみ対応し、当該医療機関の診療時間外及び休診日には閉局して処方せんを応需していない薬局は早急に改善を図ることとされたのは、このような薬局は患者のトータルとしての薬歴管理が事実上できないこと、当該医療機関からの独立性の維持が極めて困難であること等、医薬分業の趣旨にそぐわないからである。
と明記されている。従って門前医院の昼休み及び休診日に閉局している薬局は基準調剤算定不可となる。
開局時間については、11月30日の中医協の総会で次のようなやりとりがあります。
第204回中央社会保険医療協議会総会議事録(2011年11月30日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021uzs.html
(真ん中のあたり)
資料(総-6)調剤報酬について(スライド)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wj9o-att/2r9852000001wkd7.pdf
○吉田薬剤管理官
スライド4からが、在宅の薬剤管理指導業務の推進の関連でございます。御提案したいことは、在宅で実施しております薬局における施設基準をつくり、それを評価することということでございます。
スライド5にございますように、現在、在宅を行う場合には、この在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出を出す形になってございます。
一方で、基準調剤を行う場合の基準調剤の施設基準等もございますが、一定の重なりはございますが、少しずれていると。実際には、在宅の業務を行っているのは、下のピンクのところでございますが、1割程度と、それほど多くないというのが現状でございます。
このような中、在宅を実際に行う場合の課題と、スライド6でございますが、当然のことでございますが、人的なあるいは物的な対応が当然必要になるということでございます。
おめくりいただきまして、スライド7、8、これは前回の議論のときにお示ししたものでございますが、周りの医療あるいは介護の関係者への周知が十分に行われていないということ。あるいは医療材料・衛生材料の供給についても、積極的に関与する必要があるというようなことを示しております。
そのようなことを踏まえまして、スライドの9でございますが、在宅の対応可能な薬局に対する情報を医療機関等に周知すること、あるいは医療材料・衛生材料の供給に関与するような取組み、これらも含めて在宅業務に十分に対応している薬局については、総合の体制整備が必要になりますので、その御提案としまして、一定以上の過去の実績も考慮した形での施設基準というのを別途設け、それを評価する形にしてはどうかという御提案でございます。
それに関連いたしまして、先ほど、いわゆる基準調剤、かかりつけ薬局たる基準調剤ということを行っている施設基準というのがございますが、それも、この際、見直しを行ってはどうかということの提案でございます。
スライド10、これが現在の基準調剤の施設基準の比較でございます。1と2と2つございますが、今回、見直しをすべきと思われるところは、品目の関係でございます。基準調剤1が500品目、2が700品目となってございますが、おめくりいただきまして、スライド11でございますけれども、基準調剤を算定していない薬局におきましても、緑の棒グラフでございますが、平均で792品目という形になっているということで、現在の備蓄医薬品の基準を既に超えているということをどう考えるかということでございます。
スライド12でございますが、薬局の開局時間を見た場合に、一部の薬局、真ん中辺りの(2)で書いてございますが、ほんの一部(※厚労省の委託調査で約1割、近隣医療機関の診療時間に合わせた開局時間については尋ねていないので、これを含めると実態はもっと多いかも)ではございますけれども、平日の昼間の時間に一時的に閉局する。さらに一旦閉めて、また開けるという薬局があるということでございます。
こういうような状況を踏まえまして、スライドの14でございますけれども、備蓄医薬品の品目数についての施設基準の要件を見直すことを行ってはどうか。
もう一方では、地域医療との連携を評価するという観点に立てば、明らかに特定の保健医療機関の開業時間等に応じたような形で、薬局の開局時間を設定していると、そういう薬局については、基準調剤加算を算定できないというような形での施設基準の見直しを行ってはどうかと、そういう御提案でございます。
○三浦委員(日薬)
それでは、調剤報酬の方についてお話をさせていただきます。
資料の5枚目以降でありますが、在宅患者訪問薬剤管理指導と施設基準についてということで、スライド9にもありますとおり、在宅医療推進のための施設基準の見直しというのは、これは体制整備ということでは、この考え方でよいと思いますけれども、基準調剤加算もそうでありますけれども、項目をどんどん増やすということだけでなく、やはり現場を重視した形にしていただければと考えております。
例えばその下の10以降でありますが、やはり薬局自らある程度高いハードルを目標に掲げるというような必要もあると考えています。スライド12にもありますように、この開局時間で、例えば昼に休むなど、こういうことは、やはり施設基準としてはどうかということも含め、薬局自らがもっと積極的に、どうやって在宅医療に取り組むかも含めた施設基準の在り方が必要かとも考えます。