前記事で紹介した国衛研の報告には、現場と関係がある興味ある研究や報告があります。このうち最近のもので目に留まったものをいくつかを紹介します。
国立医薬品食品衛生研究所報告
http://www.nihs.go.jp/library/hakkounen.htm
医薬品副作用自発報告からみる重篤副作用4種の最近の動向 (Bull, Natl. Inst. Health Sci.,129,111-117 (2011)) |
間質性肺疾患、横紋筋融解症、アナフィラキシーショック、スティーブンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死融解症(TEN)の4つの重篤副作用4種に関して最近の副作用自発報告の動向を調査・解析したもの |
器具・容器包装および玩具中の内分泌撹乱物質とその変遷 (Bull. Natl. Inst. Health Sci., 128, 17-26(2010)) |
内分泌撹乱候補物質のうち、ビスフェノールA、ノニルフェノール、フタル酸エステル類などについて、これまでの研究や内分泌撹乱作用やその後の変遷についても紹介したもの。日本では器具・容器包装や玩具中の含まれていたものについては対策が進んでいることがうかがわれる。(消費者の声と業界の自主努力) |
重篤副作用の発症と関連する遺伝子マーカーの探索研究 (Bull.Natl.Inst.Health Sci.,127, 1-14 (2009)) |
重症薬疹(SJS、TEN)、薬物性肝障害、横紋筋融解症を中心として,我が国における統計、遺伝子マーカー探索に関する最近の研究、医薬安全科学部における取り組みについて紹介 |
家庭用品に使用される化学物質による重大製品事故(平成19年度及び20年度) (Bull.Natl.Inst.Health Sci.,127,69-73 (2009)) |
平成19年度及び20年度に厚生労働省が公表した製品に使用されている化学物質が事故原因と考えられる重大製品事故等を概説し、家庭用品の安全対策について考察したもの |
欧米における利益相反の取り扱いに関する調査及び日本における産学連携活動に対する医師及び薬剤師の意識調査に関する研究 (Bull. Natl. Inst. Health Sci., 126, 111-119(2008)) |
利益相反問題についての対応が先行している欧米の状況についての情報を収集し、現状を明らかにするとともに、研究資金を受け取る側の医師及び薬剤師を対象に、産学連携活動と利益相反に関する意識調査を行ったもの |
製薬企業からの研究資金提供の実態に関する調査研究:医学部・薬学部,これらの学部所属教授,製薬企業に対するアンケートの解析 (Bull. Natl. Inst. Health Sci., 126, 120-126(2008)) |
大学及び製薬企業に協力を依頼し、現時点における製薬企業の奨学寄付金等の態様,研究成果開示状況や活用状況に関するアンケート調査、利益相に関する施設ガイドラインの有無や内容等を調査したもの |
関連情報:TOPICS
2011.07.07 大人のおもちゃとフタル酸エステル類
2012年02月07日 01:12 投稿