先月31日まで行われた、調剤ポイント付与原則禁止についてのパブリックコメント(TOPICS 2012.01.11)の結果が8日早くも公表されています。
意見総数は、13,863件で、「一部改正案に賛成」が855件、「一部改正案に反対」が13,008件だったそうです。
意見募集結果→リンク(PDF)
概要は、以下の通りです。
「一部改正案に賛成」(855件)
- 保険薬局の選択は、調剤や服薬指導の質で決められるべき。 195件
- ポイント付与は実質的に一部負担金の減免にあたる。 189件
- ポイント付与は医療保険制度の健全な運営を害する。 137件
- ポイント付与は患者の誘導であり、不適切である。 55件
- ポイント付与を認めると、保険医療の世界に過度の競争主義を持ち込んでしまう。31件
- ポイント付与の対象である保険調剤は公費で賄われており、不適切。29件
- ポイント付与は過剰なサービス。 23件
- ポイントの付与は被保険者間に不公平さを生じさせる。 17件
- その他 179件
「一部改正案に反対」(13008件)
- クレジットカード・電子マネーは禁止しないというのは、整合性がない。2788件
- ポイント付与をしているのは自己負担分なので、医療保険制度上、問題はない。1557件
- ポイント付与は生活者・消費者のメリットであり、それを禁止するべきではない。1374件
- ポイントは経済的に助かる、楽しみにしているので無くさないで欲しい。1073件
- ポイント付与は既に定着をし、急に辞めてしまえば、混乱が生じる。 648件
- ポイント付与は面分業・セルフメディケーションに資するので、継続をすべき。477件
- ポイント付与を省令で禁止することはおかしい。憲法違反である。 431件
- ポイント付与の禁止は民間企業の営業努力を阻害する。 382件
- 政府は一度ポイント認めたにも関わらず、ポイントを禁止することはおかしい。230件
- その他 4048件
個人的には、「調剤ポイント付与は面分業・セルフメディケーションに資するので、継続をするべき」という意見の多さには驚きました。
具体的には下記のような意見があったそうです。
- 調剤ポイント付与によるセルフメディケーションに対する意識を高め、より健康な生活を送ることができる。
- 調剤ポイント付与によって、門前薬局に通っていた患者が移ってきている。調剤ポイントによって面分業やセルフメディケーションが推進され、今後のあるべき方向に向かっている。
- ドラッグストア併設の調剤薬局でも、患者に対し地域密着型かかりつけ薬局のメリットを充分説明し、理解いただいている。その上でポイントを付けて患者にどちらの薬局を選ぶのか選択いただいている。ポイントはきっかけに過ぎず、ポイント継続により分業が促進される。
- 利用客は利便性を求めており、ポイント付与は門前薬局から脱却していくチャンスで、面分業を活性化する一つである。
結果を踏まえての今後の方針は示されておらず、「本パブリックコメントの集計結果は、中央社会保険医療協議会に報告されます。」となっており、最終的には中医協での判断に委ねられそうです。(パブリックコメントの結果を持って方針が覆るとは考えにくい。下記のようなことも指摘されているので。)
関連記事(見出し):
パブリックコメント 厚労省が“やらせ”を指示
調剤ポイント禁止、日薬と保険薬局協会に賛成意見を
(RISFAX 2012.01.27)
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=37506
寺島薬局 パブリックコメントに「調剤ポイント継続」やらせ意見
(MEDICAL CONFIDENTIAL 2012.01.24)
http://medical-confidential.com/confidential/2012/01/post-348.html
関連情報:TOPICS 2012.01.11 調剤ポイント付与原則禁止についてのパブコメ開始
2月9日 9:20更新
2012年02月09日 00:36 投稿
パブリックコメントへのやらせ投稿に関する告発記事が掲載されています。
グローウェル 調剤ポイント継続狙う「やらせ」発覚
(MEDICAL CONFIDENTIAL 2012.03.01)
http://medical-confidential.com/confidential/2012/03/post-366.html
嫌気をさした薬剤師従業員の中には退職者も出ているとか。
ネット販売の時は散々ネット販売業者を非難しておきながら、
自分たちの不利益になることはこれですか。
こんなことしてるから薬業界の信用が落ちていくんだよなあ