10日の中医協の総会で、パブリックコメントの結果(TOPICS 2012.02.09)を踏まえ、周知及び準備の期間を十分に設けるために、施行日を10月1日とする案が示されいます。おそらくこの案で決まりでしょう。、原案通り答申されました。
第221回中央社会保険医療協議会総会(2010年2月10日開催)
資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1.html
調剤ポイントについて
(総-7-1)パブリックコメント結果について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021pov.pdf
(総-7-2)保険薬局における一部負担金に対するポイント付与禁止に関する考え方
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021zwu.pdf
(総-7-3)保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則等の一部改正について
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021zwn.pdf
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則などに次のような条文が加わるそうです。(かなり明文化)
保険医療機関及び保険医療養担当規則
(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
第二条の四の二保険医療機関は、患者に対して、第五条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険医療機関が行う収益業務に係る物品の対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供により、当該患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない。
保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則
(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
第二条の三の二保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の額に応じて、当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。
高齢者の医療の確保に関する法律の規定による療養の給付等の取扱い及び担当に関する基準
(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
第二条の四の二保険医療機関は、患者に対して、第五条の規定により受領する費用の額に応じて当該保険医療機関が行う収益業務に係る物品の対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供により、当該患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない。
(経済上の利益の提供による誘引の禁止)
第二十五条の三の二保険薬局は、患者に対して、第四条の規定により受領する費用の額に応じて、当該保険薬局における商品の購入に係る対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、当該患者が自己の保険薬局において調剤を受けるように誘引してはならない。
関連情報:TOPICS
2012.02.09 調剤ポイント パブコメに13,863件の意見
2012.01.11 調剤ポイント付与原則禁止についてのパブコメ開始
2月8日 14:50更新
2012年02月10日 11:01 投稿
もう十分に期間あったと思うけど。
延期しても止める準備しないと思います。
近隣のドラッグストアではポイント2倍を宣伝してますよ。
去年の11月2日に方針が決まっていたのだから、確かにそうですよね。
パブリックコメントを去年のうちにやっておけば、結果に関わらず4月から実施可能だったと思いますが、結果的に反対の意見が大多数を占めたことで延期をせざるを得なかったのでしょう。(組織的?意見提出は一応大成功!!)
でもやっぱり、繰り返しになりますが、「調剤ポイント付与は面分業・セルフメディケーションに資する」というのが反対理由となるのは私はどうもしっくりいきません。
面分業がすすまないという苛立ちは、私もわからないではありませんが、ポイント付与だけで果たして面分業の推進につながるのでしょうか?
後発品を処方しているのに、後発品変更不可が押してある処方せん(こういう医療機関に限って時間外は連絡がとれない)で、すぐに調剤ができないケース、施設基準や加算の有無などで自己負担が違う、院内処方の方が安いなどで同じ薬なのに自己負担額に差があるなど、患者さんにその理由を説明に苦慮することが少なくありません。(海外では薬局で薬をもらう場合は、定率マージンか定額がほとんどでどこの薬局で薬をもらっても同じのはず)
これでは、確実に薬の在庫がある医療機関近隣の薬局で調剤してもらう、患者さんがより安いところ(調剤基本料が安いところ)、割安感を感じるところ(ポイントが付与されるところ)、割安になる方法(薬情はいらない)をと考えるのは至極当然のことです。
どこでもらっても(もちろん院内処方・院外処方どちらでもらっても)、自己負担は同じ(例えば、薬剤料+定額)、後発品を処方した場合は変更不可は認めないなどの仕組みをきちんと作らないとこの問題はおそらく解決しないと思います。
関連記事:
中医協が10月からの「調剤ポイント」原則禁止を答申
(MEDICAL CONFIDENTIAL 2012.02.10)
http://medical-confidential.com/confidential/2012/02/10-1.html
RISFAXの記事は事実無根だとか。
延期してもその期間でポイント廃止になることを伝えて行くのでしょうか?
ドラッグストアが反対の姿勢を貫いている現状を見ていると、ポイント付与中止の準備は進まないと思います。
ポイント継続しているところには、指導をしていかないと変わらないと思いますね。
また、当初から指摘されていましたが、ポイント◯倍という店舗も出てきましたね。
半年間どのように廃止の準備をして行くのかがすごく重要ですね。
中止の準備はまずしないと思いますね。
するくらいならもうすでにポイントの付与辞めているでしょうよ。
半年かけて訴訟の準備でもするんじゃないでしょうか・・・。
医療に関しては、法律に違反していなければ良いという考えは危険だと思います。不正請求に繋がりそう。
また、今回のポイントで利益を得ようとする行為は、調剤行為は医療ではないのかなと考えさせられます。そんなことをしている間は、医療機関としての薬剤師の立場は上がらないと思います。
薬事日報で、中医協での吉田薬剤管理官の発言を紹介しています。
【中央社会保険医療協議会】調剤ポイント禁止、10月から‐当初より半年ずれ込む
(薬事日報 HEADLINE NEWS 2011.2.13)
http://www.yakuji.co.jp/entry25521.html
「ポイント制を禁止する基本原則を変えるものではない」
「3月早々にも改正薬担等を公布して、広く知らしめる。必要であれば、機会をみて趣旨・内容について関係者に周知徹底したい」
当面は黙認するとも受け取れるけど。いつから、どのように周知徹底するのでしょうね?(もう既に十分周知されていると思うけど)
10月まで6ヶ月延長して、さらに6ヶ月延長。医薬品の通販禁止の暫定措置の延長と同じ轍を踏む。
最近の下々は小賢しくなり、御上のお達しに一々異議を言う輩が多くおります。お役人様のご出世の妨げとならぬよううまくあしらってください。
親切に回答をいただいたので、今の感想についてコメントしておきます。
法律というものは、新しい技術や世の中の変化を後追いするものだから、
厚労省が最初に調剤に対するポイント付与の問い合わせがあったときに、
「今は法律がありませんが、従前の原則に従い法制化を進めます。」と
でも答えておけば、クレジットカードや電子マネーのポイントについては
グレーゾーンでうやむやのまま、調剤へのポイント付与は認められない
という論調で問題は起きなかっただろうにねぇ。
こうなってしまうと今後、病院の診療でのクレジットカード利用でポイント
がつくことも問題にあがる可能性もあるし、これを機会にこれまでの日本の
保険医療の問題点が全部洗いざらい国民の知るところになれば、本当の意味
での医療制度改革も進むんじゃないかと期待していますw
17日のドラッグストア協会の定例記者会見で署名が63万超に達したことが明らかになったそうです。(RISFAX見出し)
これからは国民を巻き込んでの運動を展開するとのこと。
ドラッグストア各社 調剤ポイント、国民判断求め活動
(日刊薬業WEB フリーサイト 2012.02.17)
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/kigyo/article/1226566909039.html?pageKind=outline
あのネット販売(郵便等販売)の規制の際に署名活動を展開した、ネット業者の運動を思い出しますね。(彼らは今回の動きをどう思っているのだろう)
katsu さんが指摘するように、3月にも公布されるという保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則を早い時期から周知させても、私もあのネット販売の暫定措置延長の二の舞になるような気がしますね。
いよいよ、約30人の代理人弁護団を立てて、この63万人の署名とともに厚労相に十数項目もの公開質問状を突き付けるようです。
小宮山厚労相の“庶民イジメ”を止めろ!ドラッグ業界が全面戦争へ
(夕刊フジ=zakzak 2012年4月23日)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120423/plt1204231810003-n1.htm
公開質問状(抜粋)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/photos/20120423/plt1204231810003-p4.htm
記事へのツイート→リンク
ダイアモンドオンラインに関連記事が出ています。
処方薬にポイントを付与してもいいのではないか
(ダイアモンド・オンライン 山崎元のマルチスコープ 4月25日)
http://diamond.jp/articles/-/17736
http://diamond.jp/articles/print/17736
ポイントを付与しない(できない)薬局は、より緊張感を持って服薬指導を顧客サービスを行うことになるから、薬局業界全体の顧客サービスを強化する方向に働くとして、支持の論調です。
でも根本は、処方薬の購入に関して、実質的に「一物多価」が存在する現状が今回の問題をより歪めていると思います。
かかりつけ薬局制度の推進には調剤料の抜本的な見直しが必要でしょう。
現状では門前でもそうでなくても調剤料は同じです。支払い金額も同額。
複数の処方箋を一つの薬局に持ち込んだ場合に割引になるような制度にすれば急いでお薬を欲しい患者さん以外はかかりつけ薬局を持つようになると思います。
特に同時に複数の処方箋を持ち込んだ場合には調剤料はすべての薬剤を1枚の処方箋で受け付けたのと同じ扱いにすればかなりの自己負担が減りますので患者さんからの支持も得られると思います。同時に調剤しますので薬局側は若干手間は増えますが、面分業化による不良在庫のリスク以外はそれほど変わらないと思います。もちろんとれる報酬はとりたいと大反対する勢力もあるでしょうけどね。
何年か前、かかりつけ薬局推進のため、同じ薬局を利用した方が安くなるという議論があった記憶があります。(ちょっと調べてみます)
こういった限られた業界内のパイの取り合いのような状況があからさまになっているのか、こういった乱暴な記事も
調剤薬局に補助金を出すな
(BLOGS 2012.10.10)
http://blogos.com/article/48138/
(アゴラ 言論プラットホーム 2012.10.10)
http://agora-web.jp/archives/1492307.html
医薬分業に法的根拠はなく、保険点数で院外薬局を優遇する補助金政策でしかないと訴えています。(言論の自由はあるけど)
記事ツイート→リンク、リンク
お返事ありがとうございました。数年前まで門前薬局の方が調剤料が安かった記憶があるのですが違いましたか?調剤料引き下げで非門前薬局が門前薬局と同じに下げられたと。
私自身はというと半年程前にかかりつけ薬局に切り替えました。切り替え前によく出されるお薬のリストを持って近隣の薬局を数店舗まわり、在庫豊富なところに決めたのはいいものの、薬剤師の先生がかなり高齢で調剤や服薬指導をしていないんですね。(特に薬歴簿は見た事がない。登録販売員がすべて仕事をこなして、最後に薬剤師の先生を呼んで来て「お大事に」と挨拶するだけ)昔はそれでも良かったのかもしれませんが、門前チェーン薬局で若い薬剤師の先生がマニュアル通りの対応でドタバタしてるのを散々見て来たので拍子抜けです。
業界内では大手ドラッグストアの参入を快く思ってないところも多いようですが、マニュアル通りであっても病状聞き取り、飲み合わせチェック、有資格者による調剤監査、薬歴簿閲覧記入を最低限やっているのであれば大手ドラッグストアでもいいんじゃないかと思います。
問題児井上せんせい、ですか。
院内の薬局は通称が薬局であり法的には「調剤所」でしかない事がまずおわかりではない。
病院内の調剤所が「薬局」であるなら、院内薬剤師も保険薬剤師とならないといけないと思います(規則の改正必要ですが)。
また病院では確かに薬剤師が居るでしょうけど、クリニックはどうなんでしょうね?
「自ら調剤=同じ建物に存在すれば監督下にある」
なんて捻じ曲げた解釈により看護師や事務員が薬作ってる事が問題。
院内でもいいって思いますよ。
でもそうしたら全医療機関(歯科も)で薬剤師の配置義務として欲しいですね。
すみません、くだらないと思いつつ反論してしまいました。