抗肥満薬オルリスタットのリスクベネフィット(EMA)

 欧州医薬品庁(EMA)は16日、抗肥満薬のオルリスタット(Alli、Xenical)と肝障害の関連性についてのレビュー結果を明らかにしています。

European Medicines Agency confirms positive benefit-risk balance of orlistat-containing medicines
(EMA Press Release 2012.02.16)

Questions and answers on the review of orlistat-containing medicines
(EMA 2012.02.16)

 EMAでは、1997年から2011年1月までに報告された21の事例をレビューし、いくつかの事例で累積使用の関連を考慮する必要があるとしながらも、肝障害は他の要因で発現しているとして、CHMP(医薬品委員会)ではオルリスタットが重篤な肝損傷のリスクを増やすというはっきりとした証拠はないと結論づけるとともに、肝障害を引き起こすメカニズムもわからないとしています。

 ただ、一般住民を母集団とした研究(population-based study)で、肥満者において肝疾患の発現が見られたとして、製品情報にまれな副作用として肝障害に関する情報は盛り込まれます。

 これで日本での開発が進むといいですね。(今どうなっているんだろう)

関連情報:TOPICS
  2011.11.14 海外公的機関 医薬品安全性情報Vol.9 No.23
  2011.04.15 抗肥満薬オルリスタットの安全性
  2010.05.27 オルリスタット使用による肝障害がラベル追記へ(米FDA)
  2009.08.25 抗肥満薬オルリスタットと肝障害
  2009.01.22 OTC抗肥満薬を欧州委員会が承認
  2009.01.14 大正製薬、抗肥満薬オルリスタットの開発・販売権を取得

 


2012年02月17日 10:15 投稿

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