アスリートは豚肉を食べてはいけない(中国)

 食品安全情報blog で知った情報です。

中国人アスリートは豚肉を食べることを禁じられた
(食品安全情報blog 2月16日)
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20120216#p16

 夏のロンドンオリンピックを控えていることもあり、中国のスポーツ当局はついに、自国のアスリートにも豚肉を食べないようアナウンスをしたそうです。(一部メディアによれば羊肉も。仔羊や牛肉はすでに食しないようにアナウンスが出ているらしい) 当局が食べるのを禁じるくらいですから、中国内では安全な豚肉はないとのことのようです。

 中国では1997年に農務省が食肉へのクレンブテロールの添加を禁止していますが、最近でも8月に蘇州で行われた大会に参加したドイツの卓球選手からクレンブテロールが検出されるなど、汚染は深刻のようで、中国の元アスリートからは中国政府がアスリートのための対応を行っていないとの批判が出ているようです。

 クレンブテロールと言えば、汚染された食肉を食べたことによりドーピング検査でクレンブテロールが検出されたと主張した、ツール・ド・フランスのアルベルト・コンタドール選手への裁定が6日に公表されました。

コンタドールに2年間の出場停止処分、2010年のツール優勝剥奪
(AFP BBNEWS 2月7日)
http://www.afpbb.com/article/sports/cycling/2855960/8420619

 コンタドール、2年の資格停止処分。その波紋
(J Sports コラム&ブログ 2月13日)
http://jsports.co.jp/press/article/N2012021311511812.html

CAS(スポーツ仲裁裁判所)、コンタドールのドーピングを認定し、2年間の資格停止。ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリアの優勝抹消へ
(ディープ インパクト、ドーピング事件 2月7日)
http://blog.livedoor.jp/dope_impact/archives/51849581.html

  結局弁明は認められずクロの裁定が下り、2010年のツール・ド・フランスの総合優勝などの記録が取り消された他、2年間の出場停止処分となったそうです。(こういった食肉の汚染があると、いい口実を与えてしまう)

 NTDの記事の後ろのほうにありますが、豚肉以外にも女性ホルモンが入った鶏肉、抗生剤がいっぱいの魚なども懸念されていて、スポーツ大国の中国のアスリートたちにとって、最大の敵は食の問題なのかもしれません。

関連情報:TOPICS
  2011.12.27 一部の食肉はクレンブテロールに汚染されている(WADA)
  2010.06.14 ドーピングの話題を3つ
  2011.05.14 クレンブテロールとドーピング

参考:
Chinese Athletes Banned from Eating Pork
(NTD 2012.01.24 動画あり)
http://english.ntdtv.com/ntdtv_en/news_china/2012-01-24/chinese-athletes-banned-from-eating-pork.html
Chinese Athletes Steer Clear of Pork Over Drug Concerns
(The Epoch Times 2012.02.09 Update)
http://www.theepochtimes.com/n2/china-news/chinese-athletes-steer-clear-of-pork-over-drug-concerns-187470.html
Chinese Olympic athletes told to not eat pork, mutton
(WantChinaTimes 2012.01.30)
http://www.wantchinatimes.com/news-subclass-cnt.aspx?id=20120130000076&cid=1103&MainCatID=11
FoodQualilynews com. 2012.02.08
http://www.foodqualitynews.com/Public-Concerns/China-Olympians-banned-from-eating-pork-over-clenbuterol-fears


2012年02月18日 14:14 投稿

コメントが2つあります

  1. アポネット 小嶋

    日本ではあまり報じられておらず今まで知らなかったのですが、去年メキシコで行われたU-17のワールドカップでは選手からサンプリングした208の検体中、何と109の検体からクレンブテロールが検出されたそうです。

    U-17W杯、100選手以上からの禁止薬物検出はホテルの食事が原因
    (サッカーキング 2011.10.19)
    http://www.soccer-king.jp/world/article/201110191245_u_17_worldcup.html

    Dvorak: An excellent and unique collaboration
    (FIFA 2011.10.18)
    http://www.fifa.com/aboutfifa/footballdevelopment/medical/news/newsid=1528706/

    Over 100 players test positive for banned drug clenbuterol at Fifa Under-17 World Cup in Mexico this summer
    (Telegraph 2011.10.19)
    http://www.telegraph.co.uk/sport/football/news/8833438/Over-100-players-test-positive-for-banned-drug-clenbuterol-at-Fifa-Under-17-World-Cup-in-Mexico-this-summer.html

    Telegraph 紙によれば、FIFAではホテルの食肉を取り寄せて調査したところ、30%からクレンブテロールが検出されたとのこと。

    U-17ということで、食べるものに関してあまり注意を払っていなかったことも原因のようですが、この事件を機にFIFAではドーピング対策を懸命に考えているようです。(WADAが注意喚起を行ったのも、この事案を重く見てか=TOPICS 2011.12.17

    改めて市場に流通している食肉がクレンブテロールに汚染されていることが裏付けられていますが、サッカーに限らず、食べ物の対策に十分な対策を打てない国(競技団体)では頭の痛い問題でしょうね。(ある程度(の検出)は仕方ないということになってしまっても困るけど)

  2. シッフズジャパン 鈴木幸雄

    ドーピングとは関係しませんが、除草剤グリホサート(化学名:N-ホスホノメチルグリシン、グリホサート耐性遺伝子組換え作物が認可され、需要が高まっている農薬)の廃棄画分から食塩が違法に作られ、中国12省・市に流通していたことが報道されています。中国の食品安全は改善されつつありますが、隠れたリスクはまだまだありそうです。
    http://www.asahi.com/international/update/0201/TKY201202010631.html

    http://insidechina.onehotspots.com/million-tons-of-pesticide-waste-salt-flow-into-the-12-provinces-and-cities-pretending-to-table-salt/1894/