英国では、豪州(TOPICS 2011.04.11 2011.09.18 2011.11.12)と同様に、ロゴ、ブランド・イメージ、シンボルなどを禁止し、表示は文字列のみとするたばこ包装の規制の導入が現在検討されていますが、アダム・スミス研究所という保守系(right-wing)のシンクタンクから、この規制の効果に疑問を投げかける報告書が発表され、英国内では話題になっています。(BBCなどでは現時点では取り上げていないので、あまり相手にしなくてもいいかも)
Plain packaging – a new Adam Smith Institute report
(Adam Smith Institute 2012.02.20)
http://www.adamsmith.org/blog/Liberty%20%26%20Justice/plain-packaging-%E2%80%94-a-new-adam-smith-institute-report
Plain Packaging
Commercial expression, anti-smoking extremism and the risks of hyper-regulation
(Adam Smith Institute )
http://www.adamsmith.org/sites/default/files/research/files/plain-packaging.pdf
報告書では、包装の簡素化(イメージはわくけど、適切な表現がないので)はかえって不法や偽のたばこが流入しやすくなる危険性を招く(現在も1割弱のニセモノが流通)と指摘、また今回の規制がアルコールや脂肪過多の食品に対しても同様な規制につながる可能性があると警鐘を鳴らしています。
これに対し、がん研究の慈善団体は「今回政府が検討している規制は、現在の喫煙率を減らすことが目的ではなく、次世代の子どもたちが喫煙を始めるのを止めることである。」として、たばこ会社の代弁をしていると批判しています。
確かに今回の規制をきっかけに、お酒などにも健康を害するからという理由で過度の包装規制を行うということも将来ありえないとはいえませんが、体への影響や依存性のリスクは大きいので同列に考えるのは極論ではないかと思います。
日本ではたばこはどこでも目立つところにおいてあるし、カードが必要とは言ってもまだ自販機でたばこが買える(スコットランドではどちらも禁止になっている)状況なので、こういった議論までには程遠いけど。
Charities slam tobacco packaging report
(Cancer Research UK 2012.02.20)
http://info.cancerresearchuk.org/news/archive/cancernews/2012-02-20-Charities-slam-tobacco-packaging-report
関連情報:TOPICS
2011.11.12 豪州上院がたばこ包装規制法案を可決、来年12月実施へ
2011.11.08 たばこ包装への警告写真義務化に待った(米国)
2011.09.18 たばこ包装の新しいラベル案が示される(豪州)
2011.04.11 たばこの包装にロゴはいらない(豪州)
参考:
Plain packets ‘won’t stub out cigarette sales’
(Scotman 2012.02.20)
http://www.scotsman.com/news/health/
plain_packets_won_t_stub_out_cigarette_sales_1_2126752
2012年02月21日 10:46 投稿